CROWN No.164 ページ14
‥
隼「……けど?」
ねえ、なんで俺の言葉を遮るの?
ねえ、君もあいつと同じように、俺の言葉を否定するの?
ねえ、君達も俺を、愛嬌の過ぎた詐欺師として見るの?
別にいいよそれでも、もう慣れた。
あがらったって、もがいたって、喚いたって、何も届かない。
皆が皆そう言う目で見るなら、ネタを明かした上で虚妄を演じでやろうじゃん。
俺は詐欺師。
高校最後にして将来を潰し、おばあちゃんと孫を不幸にした罪人。
……7つの大罪のうちのひとり、 "傲慢" 。
やんちゃがいつしか傲慢に変わり、それに気づかなかったがためにあいつに……あいつを含めた "仲間" に見捨てられた、無様な落ちぶれ。
──ああ、解ってた……解ってたけど……
……どうにも、君は俺をそう言うモノとして見れないらしい。
A「いつも笑顔を貼りつけていて、考えが読めなくて」
隼「うん?」
A「人の考えを見透かすことが上手くて」
隼「え、」
A「冷静で狡猾な精神誘導をしてくるところが嫌い」
涼太「ちょっとAちゃん?」
隼「……俺、嫌味言われるためにこんなこと話したんじゃないんだけど……」
さっきまで目は誰とも合わせられなかった。
自虐で自分の心に盾をつけて、それでようやく皆の反応をうかがうことができた。
はずなのに、君は容赦なくこの盾を壊す。
A「でも、」
下を向いて喋る……話すAちゃんの顔は、照明が暗いせいもあって、全く見えない。
でも、と言った後、顔を上げた。
隼「……なんでAちゃんが泣くの」
A「……彼女がきっかけになった冤罪なんかで、何年もこんなことで苦しむことになるなんて……つらかったんだなあって、思う……」
隼「……同情?」
A「きっと……兄妹みたいだったんだろうな……私には、いないから……解らないけど……」
隼「……そうだね、兄妹みたいだった。
家族のピクニックにも交ぜてもらったこともある。
裕福じゃないけど、とても、幸福そうだった」
その後Aちゃんはその場で泣き崩れてしまった。
冤罪なんて、このご時世よくあること。
なのになんで、そんなに哀しんでんの?
ん?
刹那、同時に、俺はメンバー全員と目を合わせる。
そして出てきた、ふたつの疑問。
──Aには、兄弟が、いない?
──後輩が女って、言ったっけ?
‥
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もも - 面白いです!更新お願いします! (2021年1月24日 23時) (レス) id: 0e215cea34 (このIDを非表示/違反報告)
iro(プロフ) - コメント初めてさせてもらったので言葉とか変だったらすみません。また何回も読み返してゆっくり更新待っているので頑張ってください!! (2020年12月29日 2時) (レス) id: c0e332dce1 (このIDを非表示/違反報告)
iro(プロフ) - 4回くらい読み返させてもらってます!!何回読んでも最高で、最後まで読んでは続きがはやく読みたいーって1人で騒いでますwゆっくりでいいですが、できたらはやく続き読みたいです(言ってること矛盾しててすみません)あとオチは佐野玲於だと嬉しいです。 (2020年12月29日 2時) (レス) id: c0e332dce1 (このIDを非表示/違反報告)
かな - ゆっくりでいいので更新待ってます!亜嵐くん落ち希望です! (2020年10月26日 18時) (レス) id: 95ffd40df7 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 隼くん落ち期待しています!! (2020年10月21日 21時) (レス) id: 1c9bc00d48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Kyoh. | 作成日時:2019年1月24日 4時