【BIG CITY RODEO / GENERATIONS】 CROWN 4

CROWN No.163 ページ13

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隼「たまたま捕まった件が自分のしていないことだったけど、別に俺今までそれまがいのことしてるから、全く無実ってわけでもないからね？」









自分が関係しているならまだしも、関係していない事件。
だから、腹が立った。
どうして……もがけばもがくほど、身動きが取れなくなっていくんだろう。



でも俺は、それからしばらくして沈黙することにした。
卑怯者がそんなことを言ったのには、理由があることを知っていたから。
いや、知っていても気づきたくなかった。
だってやってないのにやったって言われてるのはどう考えても理不尽だから。



あれから話してないし会ってない。
だからあの卑怯者がどこでどんなことをして過ごしているのかは知らない……知る由もない。
俺の代わりに、堂々と人生謳歌してる？
高校3年生で潰された、俺の人生の代わりに。



俺をここに陥れたこと、ちょっとでも後悔してくれてたらいいなあ……なんて、思ってたりするけど言わない。









隼「思えば、思い当たることあったんだ」









先輩からカツアゲした時には快感で、財布どころか家の貯金箱まで持ってこさせた。
授業をサボった時は、注意しに来た先公を脅して動画を撮った。
それ以外にもたくさん……話せないようなことまで。



隣でそういや言ってたなあ、『もうやめたほうがいいんじゃないですか？』って、誰かが。









A「……」


隼「幻滅したでしょ」









とびっきりの笑顔で。
商売道具のこの顔で。
君の反応を見たいんだけど。
なんで、そんなに悲しそうな顔をするの？
なんで、嫌そうな、嫌悪と軽蔑の目で見ないの？



皆もそうだよ。
なんで、そんなに俺をそんな目で見るの？









A「なんでそんなにきょとんとしてるの」


隼「いやだって……普通は "お前そんな奴やったんか" って幻滅するとこでしょ？
　自分の愛嬌使って金巻き上げたり動画取ってネットに拡散させたり遊び半分で万引きさせたりした」


A「……」


隼「『やめれば？』って誰かが言った。俺以外は解ってた。
　自分が楽しいってだけでこんなことしてる俺はおかしいって。
　堪忍袋の緒が切れたんやろ？
　だから俺だけを刑務所に送るような嵌(は)めごとして遠ざけた」


A「はや」


隼「俺は無知だった。だから」


A「そうかもしれないけど」




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