CROWN No.165 ページ15
‥
相田「お時間でございます」
隼が何か言いかけた。
だけど、それに気づかなかったんだろう、相田さんが発した言葉で、皆の表情が一変した。
今から "ミドルセレモニー" 。
週に1度行われる、
機敏に動き出したのは龍友。
インカムらしき物を耳につけ、指示を出し始める。
龍友はインカムをつけたまま、私に向き直る。
そしてにかっと笑うと、晴れやかな顔で言う。
龍友「A、あの曲覚えてるよな?」
A「あの曲?」
龍友「歌ったやろ。俺らの出したリストの中から選んだ奴」
A「ああ、 "花" ……覚えてるけど」
龍友「色々あって伝えそびれたけど、それ今から皆の前で歌ってもらうから」
A「え」
涼太「はいAちゃん、こっちでドレスアップしよう」
A「えっ待って、私聞いてない」
龍友「伝える前に飛び出してったもんなあ」
A「えっ」
龍友「自己責任やで、これ前から決まっとるしな」
A「そんな」
涼太「はい、歌詞書いた紙とデモ。
この通りに歌ってもらえればいいから」
A「いやちょっ、人前は嫌……」
亜嵐「 "拒否権" 」
A「ゔっ」
玲於「歌えんだろ。やれよ」
手の平返された感じ。
何も状況も解らないまま、ずるずると涼太に引きずられる。
連れていかれるところはきっとあそこ。
大量の高価な衣装が並んだ控え室。
かっとした私も悪いけど、まさか歌うことがここに使われるなんて。
練習もリハーサルも何もなし。
私がそう言う状況に自分を追い込んでいるのか、はたまた周りがあえて私をいじめに来ているとか……
まさか。
身体が固まったままの私。
腕を抱えられて、後ろ向きに引きずられる。
いや、涼太。雑!
と思ったら、廊下を曲がってあの部屋が見えなくなったところで腕を解かれた。
警戒するように離れると、涼太は微笑みを浮かべながら手を差し出した。
ためらっていると、自分の手に感じるぬくもり。
涼太は半ば強引に私の手を取った。
振りほどこうともがくけど、力では勝てない。
ひょろっとしているように見えて、されど男。
涼太「行こうか」
その笑顔の裏では、過去の追憶が未だに涼太を苦しめている。
そしてそれは、隼も一緒……
‥
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もも - 面白いです!更新お願いします! (2021年1月24日 23時) (レス) id: 0e215cea34 (このIDを非表示/違反報告)
iro(プロフ) - コメント初めてさせてもらったので言葉とか変だったらすみません。また何回も読み返してゆっくり更新待っているので頑張ってください!! (2020年12月29日 2時) (レス) id: c0e332dce1 (このIDを非表示/違反報告)
iro(プロフ) - 4回くらい読み返させてもらってます!!何回読んでも最高で、最後まで読んでは続きがはやく読みたいーって1人で騒いでますwゆっくりでいいですが、できたらはやく続き読みたいです(言ってること矛盾しててすみません)あとオチは佐野玲於だと嬉しいです。 (2020年12月29日 2時) (レス) id: c0e332dce1 (このIDを非表示/違反報告)
かな - ゆっくりでいいので更新待ってます!亜嵐くん落ち希望です! (2020年10月26日 18時) (レス) id: 95ffd40df7 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 隼くん落ち期待しています!! (2020年10月21日 21時) (レス) id: 1c9bc00d48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Kyoh. | 作成日時:2019年1月24日 4時