肆話:静かな不安 ページ5
・*・*・
『………ん…。』
瞼が自然に開くと、ぼやけた視界が広がった。
いつの間にか机に突っ伏したまま寝てしまっていたらしい…
ってそうじゃない!!新門大隊長と紺炉さんは!??
まだぼやける視界を手の甲で擦り、焦って机からバッと起きる。周りを見渡していると…
《《ガラガラガラっ…》》
『…!!』
玄関のドアが開く音がした。
広間を出て小走りで玄関まで急ぐと、玄関先には帰ってきたばっかりの紺炉さんと新門大隊長の姿があった。
『しっ、新門大隊長…!紺炉さん…!』
「…!?」
私が2人を出迎えると、紺炉さんが声を荒らげて聞いてきた。
「お前まさか…こんな時間までずっと起きて待ってたのか!?」
『あ〜…いや、え、えーっと〜…;;』
どうやら紺炉さんは、私がこんな時間まで起きてたことにちょっと怒っているみたいだ。
「おい紺炉。もう少し声抑えろ。ヒナタとヒカゲが起きる。」
「あっ…すみません若。;』
紺炉さんは隊長に注意されて、何も言わずに私の方をじとりと見る紺炉さん。
そ、そんな目で見ないで下さい…。(汗汗)
じとりと私を見続ける紺炉さんから目をそらすと、
新門大隊長と目が合った。
「……。」
『Σ(OωO )ビクッ』
何も言わずにただただじっと私を見つめる新門大隊長
に、思わずびっくりして肩を震わせる。
「………。」
『……?;;』
特に何も言わずに静かにじっと見つめる隊長に私は何か言われると思い、ビクビクしながら身構えた。
「…………はぁ…。おい紺炉。明日のことでちょいと相談なんだが…」
新門大隊長はため息を短くつくと、特に何も言わずに靴を脱いで私を横切り、紺炉さんと明日のことについて話し合っていた。
私は、心臓が重くドクンと音を立てた…。
今まで向けられた冷たい目より、その何倍も鋭くて
冷たい目だった。
『(…私…、本当にここにいてもいいのかな…。)』
第三世代の生まれなのに、能力を使えない無能力者。
言われたことも上手くこなせない。すぐにドジ踏むし転ぶし…そんな人間…、
・
・
『( “い て も い な く て も い い 存 在 …。” )』
・
・
私は無意識にそんなことを考えるようになっていた。
胸の前で自分の手を重ね、無力で何も出来ない自分が悔やしくて、いつの間にか手をぎゅっと強く握りしめていた…
それを見られているとも知らずに…
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環 - 笑ったりキュンキュンしたりでとても楽しい作品ですね…!作者様のこと、大好きです!((は ずっと応援してます!一生!しんでも!紅丸と作者様大好きですぅぅぅ紅丸グッズ欲しいぃぃ((殴殴 (2020年7月12日 22時) (レス) id: d54dba2782 (このIDを非表示/違反報告)
みだり - イルカさん» それな (2020年2月7日 23時) (レス) id: 2ec1bda221 (このIDを非表示/違反報告)
イルカ(プロフ) - 下の名前で呼ぶ話、大好きなんですよ!ぐわってなってぎゅんってなります!Twitterやってないのでフォロー出来ないのですが小説だけで、応援、頑張ります!あぁぁ!今日も推しが尊い! (2020年2月1日 19時) (レス) id: 55fd3da7df (このIDを非表示/違反報告)
(名前)乙女(プロフ) - カリスから乙女になりました。乙女です、やっぱ紅ちゃんになると日本っぽい名前が良いなと思い変えました(汗)Twitterフォローさせて頂きました!応援しています! (2020年2月1日 17時) (レス) id: 5783622537 (このIDを非表示/違反報告)
おれお(プロフ) - Twitterフォローさせていただきました!!これからも応援しています(*^^*) (2020年2月1日 16時) (レス) id: b49044ef37 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2020年1月22日 0時