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私たちが楽しく雑談をしている真っ只中、楽屋の外側からザワザワと困惑の声が聞こえてきた。
お二人もそれに気づいたようで、外の様子を気にしている。
「おかしいですね…私ちょっと様子を見てきます」
席を後にして廊下へ向かう。
「なにかあったんですか？」
扉を開くと、廊下に居たのは、びしょっと濡れていたスタッフの男性だった。
「え、あ、大丈夫ですか！？」
「今、雨が降ってきて…」
廊下から見える窓の外を見ると、屋根から雨が我が物顔で滴り落ちていた。
伝えなくちゃ…振り返るとお二人は既に楽屋から出ていて、私の後ろに立っていた。
「…続行できない雨量かい？」
「わかりません…これから止むかどうかも見通しが立っていなくて…」
スタッフの男性は申し訳なさそうに眉を下げる。
ステージの脇からちらっと様子を覗いてみると、結構な人数で埋まった客席は、観客が各々傘をさしたりレインコートを纏ったり、布かなにかを頭の上に被り、どよめいていた。
「ねぇ、だんだん雨足が強くなってきてない？」
「Eveのライブ、中止になっちゃうのかな…」
「日和くんのお姿も見れずに帰るなんて嫌！」
「私だってジュンくんのご尊顔拝みたいよ！」
そうだよね…私だって、見れなければ凄く悲しいんだ。ファンはもっと悲しいに決まってる。
Eveのファンの皆は、どれほど前からお二人のパフォーマンスを心待ちにしていたことか。
天候なんかで決まっちゃうなんて、悔しいよ…
「ご来場のお客様にご連絡致します。只今雨天の影響によりライブの時刻を調整しております。ご理解とご協力をよろしくお願い致します。繰り返します…」
アナウンスが鳴る。
ぎゅ、と拳を握り込む。
今すぐ止んでほしい…
「何湿気た顔してるの？」
ぽん、と肩に手を置かれて振り返る。
日和さんは柔く微笑んで、でも強い眼差しを私に向けた。
「僕達は何がなんでもやり遂げるよ。ほら、手を出して」
言われるがままに手を差し出す。
すると日和さんは私の手の甲に口付けを落とした。
「姫。どうか顔をお上げ下さい。この巴日和が、天候だって操ってみせましょう」
え、いまの、なに…、？！
顔に熱が集中する。
日和さんは私の顔を見て、にやりと微笑んでステージへと向かう。
「何勝手なことしてんだか。ねぇAさん。本当なら今のは有料で、金取れるんですからね？」
ジュンさんも笑って私の横をすり抜ける。
その時にそっと呟かれた。
「期待してますよ、プロデューサー」
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るか(プロフ) - 更新ありがとうございます！作者様のタイミングでこれからもよろしくお願いします！ (2021年12月5日 22時) (
レス) @page37 id: 5416661d68 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - 久々の更新になってしまい1部の読者の方を不安にさせてしまったかもしれません…今後もかなり不定期でゆっくり亀更新になるかと思いますが、気長にお待ち頂けたら嬉しいです…コメントもありがとうございます！ (2021年12月5日 1時) (レス) @page36 id: a194f605ec (このIDを非表示/違反報告)
羽憐(プロフ) - 続きが気になります！！更新楽しみにしてます！ (2021年7月5日 7時) (レス) id: dc480b39e0 (このIDを非表示/違反報告)
永久 - タイトルが出てきたので読んでみたら、すごくおもしろかったです！更新頑張ってください！ (2021年6月19日 20時) (レス) id: 8eb18355f8 (このIDを非表示/違反報告)
ムイ(プロフ) - ストーリーがとっても好きです！更新楽しみにしてます！ (2021年6月2日 20時) (レス) id: d436b19204 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楓 x他1人 | 作成日時：2020年1月9日 2時
