.* ページ24
「……それで、Eden全体のイメージに関わるから、うさぎはやめて欲しい、って事務所に言われてますね」
「僕は愛し愛されれば、なんでもいいんだけどね」
「…いえ、大丈夫です。お月見だと聞いた時点で、私の中にうさぎモチーフのコンセプトは浮かびませんでしたから。……」
俯いて考えていると、日和さんは私の顔を下から覗き込んだ。
「…あんまり深く思い悩むことも無いね。」
「…はい。イメージは固まってきたんですけど…どうすればいいか。」
「うーん…資金は心配しなくていいね。実現可能なことなら、好きなように提案してくれても構わないね」
「……和は、どうでしょう？」
「「和？」」
「はい。Eve、Adam、Edenはそもそも、洋、と言いますか、日本文化は全く取り入れていないですよね。
お月見のイメージとしては、浴衣などの和装をして、お団子やすすきを飾った縁側から満月を眺めると言った感じなんです…私の中では。
あえて浴衣っぽい衣装を着てみたり、日本の伝統楽器を用いた曲を提供依頼してみたり…月が見えるなら、満月でなくとも屋外ライブでもいいですよね。
うちの…夢ノ咲の紅月とコンセプトが被ってしまうのは、ありますけど、イベントだからいいかな、なんて…」
日和さんは顎に手をついて俯き、ぱっと顔を上げて言った。
「……考える余地はあると思うね！」
満面の笑みで安心させてくれた。
「…でも、そうですか…和、ね。考えて見た事もなかったな。そもそもAdamとEve…Edenが、聖書モチーフですから、まぁ洋風っスねぇ。」
ジュンさんの反応も悪くなさそうだ。
「…今年は確か、13日は満月だったはず」
「ジュンくん、意外と詳しいね？」
「たまたま、ニュースの記事を見ただけですけどねぇ」
「それは…都合がいいですね。草案にはなりますが、屋外ライブで、和のモチーフでお願いしたいです」
「わかった。事務所にはそれで通しておくね」
「あ、そういえば、事務所……日和さん、私が関わることはもうお伝えに？」
「いや？」
「「え？」」
私はジュンさんと目を合わせて瞬きを繰り返した。
「……はぁぁあ？なんで先に言わないんすかねぇあんたは、いつもいつも……」
「僕が一言いえば事務所も黙るからね！人ひとり雇ったくらい唐突でも問題なしっ！」
「は、はぁ……なら、いいんですが……」
正直、幸先が不安になってきた。
いくら日和さんが言っても、突然イベントライブをただの一般人のプロデュースで編成するなんて…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1437人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るか(プロフ) - 更新ありがとうございます！作者様のタイミングでこれからもよろしくお願いします！ (2021年12月5日 22時) (
レス) @page37 id: 5416661d68 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - 久々の更新になってしまい1部の読者の方を不安にさせてしまったかもしれません…今後もかなり不定期でゆっくり亀更新になるかと思いますが、気長にお待ち頂けたら嬉しいです…コメントもありがとうございます！ (2021年12月5日 1時) (レス) @page36 id: a194f605ec (このIDを非表示/違反報告)
羽憐(プロフ) - 続きが気になります！！更新楽しみにしてます！ (2021年7月5日 7時) (レス) id: dc480b39e0 (このIDを非表示/違反報告)
永久 - タイトルが出てきたので読んでみたら、すごくおもしろかったです！更新頑張ってください！ (2021年6月19日 20時) (レス) id: 8eb18355f8 (このIDを非表示/違反報告)
ムイ(プロフ) - ストーリーがとっても好きです！更新楽しみにしてます！ (2021年6月2日 20時) (レス) id: d436b19204 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：楓 x他1人 | 作成日時：2020年1月9日 2時
