361話 ページ2
ぱ「あ、足首くん、女の子にそんな、」
『ふふ、ありがと先生、でも見た目ほど痛くないよ』
足「そうそう、俺やさしいから」
ぱ、と手が離れた。
やさしいのになんで彼女できないのかねぇ、なんてぼやきは無視する。
足「無視すなや」
『だってできないもんはできないんだから』
もう1回、頭わしづかみの刑。私がへらへら笑っていると
ぱ「足首くん、地元では結構モテてたんですけどねぇ」
余った保護者会のお知らせの手紙の枚数を数えながら言う。
ぱ「まぁ見かける度にまた違う人だなとは思ってたけど」
足「うるせぇ」
反対の手でぱなまん先生も頭わしづかみの刑。
掴まれて、驚いた先生の顔が、初めてみる、子供っぽい笑顔だった。
あっしーにはこんな顔もするんだな
足首先生という人は、実はすごく先生という職に向いている人なのかもしれない
この、いい加減な態度と乱暴な甘やかされ方に、頼もしさを感じるのは
ぱなまん先生も同じなんだ。きっと昔からなんだろう。
先生たちは明日は何をしているのかを話していると
「A〜お待たせ〜」
お迎えが来た。
相変わらずぺったらぺったら歩いてきて、ぱなまん先生に会釈。
あっしーに「ちわ」とあいさつをする。
ゆ「ほんとに好きね、ぱなまんセンセ」
『うん』
ゆ「…わかったからそのゆるんだ顔なんとかしたら」
『え、ゆるんでる?』
ずり落ちたリュックを背負い直し、自分の両頬を両手でぴし、叩いてみる。
つまらなそうにあくびをした彼に「隊長がお迎えきてくれたからだよ」と言ったら
ゆ「……あそ。」
まんざらでもなさそうだ。
…思ってない、チョロいとか思ってない、断じて!!
むしろ、口を尖らせて照れているゆりんくんにきゅんとして
(なんかこの感じ久々だな)
なんて。ここ最近はあんまりなかったシチュエーション。
結局、まだバンドのことは訊けないでいた。
タイミングが見つからない、というのは変だけど、本当に見つからないんだ。
訊こう訊こうとするも、今じゃないかなと思いとどまってしまう。
そうこうしているうちに
文化祭から2週間が経ち、いつの間にか私は
向こうから話してくれないかなって思うようになり始めている。
そうだったらいいのになぁ、って。
ぱ「Aさん、ほら。ゆりんくん待ってますよ」
気がつけば隊長はもうドア口の方だ。
ぱ「本当に毎日迎えきてくれるのって、なんだか素敵ですね」
『ふふ〜、そうなんですよ』
先生が、何かに気づいたみたいな顔をした。
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アゲハ @ 元HIKARU(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!体育祭、楽しみです!!これからも応援しています。いつも素敵なお話をありがとうございます(*^^*) (2017年4月14日 17時) (レス) id: cd624d2203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モノクロメロディ―。@ついった | 作成日時:2017年4月13日 22時