【歌い手】＿きみのいろ＿#4【ROC】

175話 ページ46

夏代からいぶくらの写真を受け取っていると
れをるとの個人チャットにポコン、と通知。


＜あたし
＜すきなひとに
＜いったよ

(あいすちゃんか)

まぁ知ってた。
見てればわかる。あの台風娘にとってはたぶん初恋であろうことも
…あまりにハードル高すぎる相手だってことも

でも、もしかしたられをるならいけるかなって思ったんだよね

たぶんあいすちゃんが今まであったどの女子とも違うタイプだろうし
結構れをるのこと気に入ってるように、僕には見えてたんだけど。

　そかそか＞
　どうだった?＞

送信してから、聞いてもよかったのかな、なんてハッとした。


＜すきなひとがいるからごめんって


そっか。だめかぁ。

　どんまい＞
　よく頑張りました＞
　まる＞

＜ありがと
＜次はゆりんくんの番ね。

　えー＞

＜くーらーがあたしいるのに気づいてたら
＜先帰れって言っといて

　らじゃ＞


ゆ「ちゃんくら、れをるが先帰れだって」

え?と首をまたひねる。
まぁ、ちゃんくらじゃなくて僕に連絡きてたらびっくりだよね

ｋ「どしたのかな…」
ゆ「あぁ大丈夫大丈夫、安心してお家帰んなさい」
ｋ「んー…はーい…」

『くーらーくーん!!』

Aに呼ばれると、うつむいて考えこんでいた顔をぱっとあげてうれしそうに走って行く。

なんだなんだ薄情なやつだなオイ

『ゆりん隊長〜』

僕も呼ばれてる。
さりげなく隣にいぶがいる。なんだなんだ図々しいやつだなオイ

待っとけ、えんがちょーしてやるっ


…て、ぺたぺた歩き出す。僕は走るの得意じゃないんでね。

夏前の夕日がギラギラ光って、夏代の金髪とかいぶのくすんだ金髪とかちゃんくらのまぶしい金髪とか

大好きなあのこの髪とかを、全部茜色に染める。


『そう言えばもうすぐ７月だねぇ』
夏「おっ夏じゃん、俺じゃん」
『おもしろくないよ?』
夏「ひどいよ〜いぶ慰めて〜」

Ｅ「ちゃんくら期末の勉強してる?」
ｋ「あーっ!!言わんといてや〜」
夏「おいいぶ、息吹、」


ようやく到着。
予定通りいぶとAの間に立つと、いぶにぱちくり見下ろされ、Aにけらけら笑われた。

ゆ「僕もうちょい身長伸びる予定だから」
Ｅ「僕もですわ」

(ま、この際背が低い方がAと目線は近くていいんだけどね)


夏、かぁ
浴衣とか水着とか、そうそう、合宿もあったなぁ

でもその前にテストだ。またAのこと“拉致”っちゃおうかな。
図書室の穴場は空いてるかな?…あぁでも、


(あそこ窓辺だから、暑いかもな。)

176話→←174話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す