133話 ページ3
腰にぎゅっと回る腕。
背中、というか肩甲骨のあたりに鼻先がぶつかるような感触
それがぐりぐりあたって、小さくうなる声がして、後ろが誰なのかようやくわかる。
夏「だからお前俺のとこすぐ来るクセ直せ」
あれ、でもベルトの癖は直せないし…ううん、ここは棚に上げとこう
E「ぐやじぃ」
夏「悔しい?何が?」
E「やっっとの思いで先輩誘ったのに、あっさりけけさんも入ってきちゃったぁぁ」
ぐりぐりぐり、鼻の骨が背中にささる。
「はいはい」なんてなだめながら腰の腕をほどいて正面に向き直る。
――息吹は昔、思い通りにならないとぐずる傾向にあったんだけど
最近はそうさなぁ。ずいぶん男らしくなったもんで、嫉妬で寄った眉間のしわ。
だがしかし、である
つんととがった口はまだまだがきんちょで、そこがかわいくて手放せないとこだ。
夏「てか何お前、なんか誘ってたの」
E「明日いっしょに勉強しようって言うてたの!!」
夏「どこで?」
E「僕ん家」
夏「え〜いぶやらし〜」
僕がそういうと、嫉妬とは違った、汚いものを見るような目で顔を歪めた。
E「…ゲス」
夏「ちょ、やめろガチトーンやめろ、」
E「安心して?僕孝明と違って部屋にそういう本スタンバってないから」
夏「俺だって別に女子を待ち構えてるような位置には置いてねぇよ」
買ったり借りたりしたいかがわしい雑誌や本は全部兄貴の部屋のベットの下だ。
もともと兄貴が大学行くようになってから部屋使わなくなってて、だからと思ってベット下のスペースをお借りしていたわけだけども
ミヤ姉が皐月の家に戻ってきてから兄貴も戻ってきちゃって、さ。
ヤバいかとも思ったけど何も言われないとこ見ると、兄貴も見てるか気付いてないかだろう。
前者に1票、なんてね。
夏「なんにせよお前な、好きな女子と部屋で2人っきりになって何もしない手はないし
ましてや冷静でいられる男はいないからな」
E「し、知らないよそんなの!!ねぇ早く帰ろう」
しかめ面を途端恥ずかしそうに崩して俺の右手をつかんだ。
早足で教室を後にする。下駄箱に着くまでにいぶは8回つまづいた。
静かなグラウンドを横切って学校を出ると、
Aが部活に入ったばかりの頃に比べてだいぶ日が長くなってきているのがわかる。
夏「話それちゃったけどさ、結局お前の家で3人で勉強することになったの?」
E「違うよ、けけさんの家だって」
(えっそれ)
そうか1年もAも知らないのか
けけさんの__家のこと。
258人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
【歌い手】養護施設のせんせいをやってまーす!!Part3
片思いのふたり〜ネット界のスーパースターとFANTASTICSのパフォーマーは幼なじみ...
賽の目が6つ揃うまで。【irxs】
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柑橘(プロフ) - れをるちゃんよく頑張った!お疲れ様!といいたいです。あいすちゃんの過去も明らかにされてこれからどうなっていくのか楽しみです! (2015年9月1日 6時) (レス) id: f26fc3b7aa (このIDを非表示/違反報告)
モノクロメロディ―。(3人目)@ついった(プロフ) - 美音-ミオン-さん» ボクもこれからこつこつやっていこうと思います。(明日から学校) (2015年8月31日 19時) (レス) id: 1b9f958ee6 (このIDを非表示/違反報告)
美音-ミオン-(プロフ) - えっ、、部活青春!!ちなみに夏休みの宿題はおわりませんでした!! (2015年8月28日 22時) (レス) id: 0c8448ac7c (このIDを非表示/違反報告)
美音-ミオン-(プロフ) - 甘えたくーらーくんが!!本当は最初からいぶそ応援するつもりだったけど、話が進むごとにちゃんくらとちゃんゆも応援したくなってきて…やばいです!個人的にちゃんくらと似てるので共感しました (2015年8月20日 11時) (レス) id: 0c8448ac7c (このIDを非表示/違反報告)
りを(プロフ) - うわああああ甘えたくーらー可愛いいいいいい………そらるさんここで登場とか(笑)凄いって思っちゃったけど(笑)S!Nくんのキャラ好きだなぁ(*°-°)れをるちゃんどうなったのすげーどきどきはらはら中……(-_-*) (2015年8月15日 13時) (レス) id: bcc7e5ddb0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:モノクロメロディ―。@ついった | 作成日時:2015年5月6日 20時