444話 ページ36
もしかしたら、先輩には
こうなることがわかっていたのかもしれない
夏合宿の時。ピアノのある狭い空間。
僕に聴かれていたことに気づいた瞬間の、焦った表情。
あのときは狭いところに忘れられたみたいにあっただけだったけど
こんなふうにみんながいる場所に置いてあれば、そりゃあ
誰かしらに「弾いてみて」と言われるのは、僕にだって想像できること。
『ちょっと忘れちゃったかなぁ〜』
れ「えーじゃあ他のクリスマスっぽいのは?」
(だから外行きたいなんて言いだしたのか)
腕を組んで、“うぅーん”なんて唸りながら天井を仰ぐ。
れをるは素直に聴いてみたくて言っているだけだから、なおのこと断りづらいんだ、きっと。
なんとかしたい気持ちはやまやまだけど
どうにもうまい逃げ方が思いつかなくて、黙々とミルクティーを飲み干した。
K「お嬢さん方」
「君たちも」、カウンターに座っていた孝明やしんさん、花さんに向かって。
手招きをしたけけさんのもとには、ピザとケンタッキーのチラシがある。
K「弾きたかったらいつでも弾いてもらって構わないけどね。
まずこれ選んじゃおう、注文するから」
興味がそっちに行ったのか、れをるがくーらーを押しのけてチラシをじぃっと見る。
その、一歩引いたところで
A先輩が、ほっとした顔をしていた。
.
けけさんが注文を終え、受話器を置いた。
花「ねぇー?これどうしてケーキ10個あるのー?」
(あ)
思わず顔をあげた。
先輩と、ゆりんくんも同じ顔になってる。
『えっと…その……』
家を出る前にある程度聞いていた要望通り――生クリームがいいとかチョコっぽいのがいいとか、はたまたフルーツタルトっぽいのがいいとか――で、全部で9つの注文をして
A先輩が会費を集めた財布からお金を出そうとしたところで、店員さんが言ったのだ。
ゆ「“お好きなケーキ10個で2割引きキャンペーン中ですぅ”ってね」
E「めっちゃいい笑顔でね」
S「断り切れなかったわけだ」
顔を覆って「すみませんんん」って、先輩。
予定より安く済んだならそれはそれでいいよ、とフォローをいれたのはけけさんだ。
K「じゃあまたあれやろうか」
れ「あれ?」
K「かくれんぼ」
れ「いいの!!」
いいのかしら、と首をひねる花さんに
父さんの書斎と寝室を使わなければ大丈夫だよ、って答える。
(けけさんなんか見たことないはしゃぎ方してるなぁ)
花「そうだ、今渡しちゃおう」
突然言って、女子3人は2階へ。
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モノクロメロディ―。(3人目)@ついった(プロフ) - アゲハさん» コメントありがとうございます、いつもうれしいです!まさかそこ好きって言われると思ってなくて動揺しました(^-^) (2017年8月10日 13時) (レス) id: 1b9f958ee6 (このIDを非表示/違反報告)
アゲハ(プロフ) - #10、お疲れ様でした!毎度思いますがあとがきすっごくすきです…!!これからもお話楽しみにしてますね〜(*^^*) (2017年8月10日 3時) (レス) id: 375e43bb38 (このIDを非表示/違反報告)
モノクロメロディ―。(3人目)@ついった(プロフ) - りゆみさん» コメントありがとうございます、長らくお読みいただいて嬉し恥ずかしです!!(*´-`)ここのとこ暗い雰囲気続いてますが楽しんでいただけたら幸いです~◎ (2017年8月1日 16時) (レス) id: f70edfb1d2 (このIDを非表示/違反報告)
りゆみ(プロフ) - 初期の頃からずっと見てます!もう、本当に面白くて占ツク作品の中で一番好きです!!そして最近の夢主ちゃんとその周囲(特に3年組)の絡みが物凄く楽しくていつも応援してます!!!これからも頑張ってください♪ (2017年7月31日 1時) (レス) id: 9710d00091 (このIDを非表示/違反報告)
モノクロメロディ―。(3人目)@ついった(プロフ) - キットカット(紅芋味)さん» コメントありがとうございます!!はいもう…気がついたらこんなに時が経っておりました…(笑)もう少しお付き合いください(^-^) (2017年6月21日 6時) (レス) id: f70edfb1d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モノクロメロディ―。@ついった | 作成日時:2017年6月20日 20時