プロ野球と短いお話

雨 時々 ヘタレ De63 ページ3

はなつーさん request

「うおおおおお!!!!雨じゃん！すげぇ雨じゃん！」

「そーですね、大気さん」

私の想い人の大気さんは馬鹿なのかもしれないと最近になって気づき始めた。

私がどんなにアプローチしても気づいてくれない。
かっこいいですね、好きです。どれ一つとしてあの人には本気にしてもらえなかった。ありがとう、と言われるだけ。

「はぁ……」

「どーしたの、Aちゃん？悩み事？」

あなたのことですよ、とは言えずに「特に」と答えてしまった。

「そ？元気ない時はいつでも相談してね」

出来たら苦労しませんよ……

「そうですか。ありがとうございます。」

そう言うとニコッと笑い返してくれた。

「うぉおおおお！エリアン、すげぇ！俺もそこに行きたいぞ！」

「Come on！(来いよ！)」

「おう、行く！」

「ダメです！」

雨の中を飛び出していこうとする大気さんを必死で引き止める。

「てか、なんで英語分かるんですか！」

「俺のこと馬鹿にすぎじゃない!?」

「そんなことないです!!」

だって、だって…あなたは

「大気さんは私の気持ち、分かってくれてないじゃないですか!!」

「えぇ!?」

あ、言っちゃった……

大気さんは驚いたように振り向くと、両手でガッシリと私の肩を掴んだ。

「Aちゃん？やっぱり...なんか悩んでた…？」

「っ////」

ほんとにやめて欲しい。無自覚だから特に。そんなことされたら、意識しちゃうじゃないですか…！

「言ってよ、Aちゃん。」

「っ/// だから！大気さんが好きだから!! だけど大気さんは本気にしてくれないじゃないですか……」

やばい、涙出てきた。そんなつもり無かったのに。

「泣かないで、Aちゃん。」

持っていたタオルで涙を拭いてくれた。やっぱりそういう所も好き。

「あのね、Aちゃん。俺さ、ヘタレなんだよ。」

涙が止まんない。泣き止まなきゃ。こんなに泣いてる女を好きになんてなってくれないでしょ？

「でもさ、もうやめる。俺も好きだから。」

「え？」

「俺もAちゃんが好きだ！だから…俺と付き合ってください!!」

くそう、くそう。なんで涙が止まんないんだ。泣きながらなんて言いたくないけど、仕方なく泣きながら言った。

「私も、...好きです…ｸﾞｽｯ...こんな私で良ければ、付き合ってください。」

そういうとばっと抱きしめてくれた大気さん。

「うん、幸せにするから。よろしくっ！」


私の彼氏は馬鹿でヘタレだけど、とってもかっこいいです。

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