自傷癖 ページ4
僕が彼、カラ松の協会で過ごすようになって2ヶ月が過ぎた。
生活にはなれてきたものの、自傷癖は治っていなかった。
刃物を見ると、自分を傷つけようと手が動いた。
多分カラ松はまだ知らない。
今日もナイフをこっそり持ち出し、自分の部屋で手首に刃を押し付けた。
ゆっくりと僕のてくびを伝う紅い雫をみつめる。
(あーあ。こんなことしてないで死ねばいいのに。本当に、なにやってんだろ、僕。)
「…トド松?なにやってるんだ?」
ビクッ
突然背後からカラ松の声が聞こえた。
「も〜。びっくりしたじゃん…ノックぐらいしてよね〜w」
へらへらと笑って誤魔化す。
「…トド松、手首、見せろ。」
「……や。」
「……トド松。」
「やだ」
「トド松!!」
「絶対やだ!!」
しかし、僕よりも何倍も力の強いカラ松に勝てるわけがなく、腕を捕まれ袖をめくられた。
「トド松。」
「……何。」
カラ松は僕を哀れんでいるように見つめた。
「僕、カラ松に会うずっとずっと前からこういうことしてたよ。」
「…」
「だから手当てなんかいらない。」
「…そういうことじゃない。」
「…っごめん。…もう、ここ出てくよ。」
「…え?」
「こんな醜い僕が、カラ松の隣になんかいちゃだめ。」
「…トド松。」
「ごめんって…」
「そうじゃない。」
「じゃあ何!?」
「俺の目を見ろ。」
「嫌!!」
「見ろ。」
「やめて!…もう、僕を見ないでよ……」
僕の周りに風が起こる。竜巻のように、勢いよく風が周り出す。
「こんな僕…生まれてこなければよかっ………!?」
思考が止まる。
今起きていることが理解できない。
今、僕の唇に重なっているのは、カラ松の唇。
「………っ!?///」
…カラ松に、優しく口づけられた。
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ライ - 感動しました! (2020年2月3日 6時) (レス) id: 99988b73d5 (このIDを非表示/違反報告)
CHERRYhanto - すごく良かったです。完結おめでとうございますお疲れ様でし (2017年4月3日 16時) (レス) id: ada0467ce4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三島 | 作成日時:2016年4月28日 22時