協会で、目覚め。 ページ2
「…ん…ぅん…?」
閉じた瞼から漏れてくる暖かく、眩しい光。
心地よい風が頬をなで、意識が覚醒する。
(…ぁれ…ここ、どこ!?)
真っ白い部屋、澄んだ空気。
あの家ではないことは、一目瞭然だった。
「あ!やっと目覚めてくれた!!」
奥から人がやって来る。
「気分はどうだ?無理するな。」
優しそうに暖かく微笑んでくれる見たこともない男。
ありがとう、とお礼を伝えたかったのだが、あいにく僕には声がないのだった。
「声が、出ないのか?」
「…ん。」
「そうか…」
彼は少し悲しそうな顔をした。
それを見て、僕は凄く不思議に思う。
(どうして、自分のことでもないのに…)
「じゃあ、俺が今日から君の声になろう!」
「………?」
意味、わかんない…
彼が、僕の、声?
「よろしく!早く声が出るといいな。」
今気付いたが、彼の声はとても落ち着いていて、優しい声だった。
安心したのか、体の力が抜けていく。
「あ、え、き、君!!」
驚いた彼の声が、意識と共に沈んだ。
3人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ライ - 感動しました! (2020年2月3日 6時) (レス) id: 99988b73d5 (このIDを非表示/違反報告)
CHERRYhanto - すごく良かったです。完結おめでとうございますお疲れ様でし (2017年4月3日 16時) (レス) id: ada0467ce4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:三島 | 作成日時:2016年4月28日 22時