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六 歩み ページ7

「…何の事?」




嗚呼、駄目だ。





『私は貴方、貴方は私って言ったよね。』



「言っていないよ。」



『貴方に聞いているのでは無い、迷この髪飾りに見覚えは?』



「…」



貴方がそこに居るならさ、______。



そう云い私は彼女の服を血飛沫で歪めた。



迷は首を縦に振り動く事は無くなった。




あの子の笑った顔も、また違った。




碧玉とは決して一緒に居た時間は長い訳でも短い訳でも無い。



何故か煩わしく思うほど迷が戻ることを祈った。



けれど目覚めることは無い。



これは…碧玉…否母さんの記憶…?





"私は、唯この子の才能に憧れと嫉妬をしていた。



「嫌いなんだ、君の事。」


金輪際私に近付かないでくれ…私は君が嫌いだ。



だが…同時に憧れていた、私はどうすれば良いのだろう。



何時しか自分の権力に酔っていた。



もう…手放すべきだ。



これ以上は正しくない。"



『なんで…』




訳が分からない。






考えたいのに頭が動かない。




何で。




なんで探偵社なの。








消えていく迷を横目に私は見慣れた道を歩いた。







全て試すしかない。





全部。





「Aさん、嘘ですよね…貴方が裏切る筈…」



金属が擦れ合う音がした。



矢張り、信用されている人…優しい人なら容易に殺 せる。



一人殺して行く度に…気持ち悪さが増していく。



息を呑み私はまた斬る。



本当な筈…今までこんな気持ち無かったから。



血は残らず…死 体も残らない。




「じゃあな。」




何でそんなに優しそうな目をするのだろう。




戻さないと。




『ごめんなさい、正義でも裏切る事はあるの。』







「A…殺 せ。」





戻さないと。



『そう乱歩さんなら云うと思った。』



眼鏡を握りながらその探偵は眠った。



戻さないと。


「なんで…」



戻さないと。


農業姿の貴方のあの笑顔ももう見ることは無い。




戻さないと。



唯無 惨な死 体が残っていて、其れを銃弾が蝉時雨の様に隠した。




嗚咽と憤怒が混じった声を荒々しく喉から吐き出した。




嫌だ、嘘だ、A、


その名前が煩わしく思う程最期にその言葉が紡がれた。



嗚咽と憤怒が混じった声を荒々しく喉から吐き出した。




自分で斬ってしまえば…彼奴に負けたと同じ。



決して、負けたくない…これ以上



迷の死を踏み躙ることは出来ない。

七 敵※イラスト有→←五 犯人



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りおん(プロフ) - 地震ー!!!大丈夫でしょうか…!?寒いと思いますし、沢山困り事もあるかと思います…。でもささやかながら応援していますし、ボランティア頑張ります…!そして!!作品とても大好きです!!!人読み惚れしてここまで来ました…!応援しています…!! (1月5日 13時) (レス) @page13 id: b7dec916ad (このIDを非表示/違反報告)
サラミザラ(プロフ) - 地震大丈夫でしたか!?後片付け等色々ありますよね……黎明さんのお話やイラストが見れないのは残念ですが、1から読み直したりして全裸待機してます!! (1月1日 23時) (レス) @page13 id: 250d9fc841 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黎明 | 作成日時:2023年12月22日 23時

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