検索窓
今日:1 hit、昨日:24 hit、合計:2,769 hit

十 質疑 ページ11

太宰さんは想像通りの反応を見せた。




病床の布をゆっくり撫でながら私は問う。



『知ってるでしょ、ムルソーで起こる事も…私が何者なのかも』



太宰さんは溜め息をついた。



「どうして私に話したんだい?」



元々この計画には誰か一人知恵と嘘を付くのに長けている探偵社員が必要だった。



それと同時に信頼と信用がある人。



乱歩さんは無理だ。



自己犠牲が積み重なる正義を許したりなどしない。



きっと手を掴み止めるだろう。



冷静に…国木田さんや賢治くんは無理だ…あの人達は嘘が苦手。




となれば…谷崎さんと敦くん太宰さんになると。



魔人と会う人物…または会ったことがある…尚且つ指示が出せる人。




太宰さんしかいない。





『…君が適任だった、それだけだ。』




「そうか、じゃあお互い知っている情報を共有しよう。」



私は唯二つの情報を開示した。



一つ、私は何故この世界に居るのか。



『私は全てを知ってる、これから起こることもドストエフスキーの事も全て。』



「では、同時に詳細を伝えよう。」



息を呑む。



『ドストエフスキーの正体は』



「『知恵だ。』」




『フョードルの異能力は触れた相手に人格を植え付ける異能力』



『その人格の情報に耐え切れず普通の人は倒れていく。』



立ち上がり、窓を静かに開けた。



本当のフョードルは延々と動き続ける機械としか言い様が無い。



『骸砦のことも…全てを踏まえてフョードルの計画は

全ての異能力()を消し去る事。』



別にその考えは間違ってはいない、やり方が違うだけで



『私が開示出来るのはこれくらいだ。』



私は微笑んだ、少し待ち望んだ気もし口を紡ぐ。



『私は頁に書き込まれ産まれた…偶然で必然的に仕組まれた運命だよ。』



『たまたま私が死 んでたまたまこの世界に来ただけ。』



『元居た世界は君達の世界を文豪ストレイドッグスとして一つの本に纏められていた。』



『干渉は此方側からはたった一人しか出来ない、正にそっちの世界で云う白紙の文学書だ。』



お互いが干渉出来る、だけど干渉できる人数が違う。






『それじゃあ、後は君に全て託したよ。』




あ、それと、そう言いながら私は太宰さんの頬っぺたを両手で触った。



そうしているとドロドロと腕が溶け出した。

十一 表れ→←九 生存



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
36人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りおん(プロフ) - 地震ー!!!大丈夫でしょうか…!?寒いと思いますし、沢山困り事もあるかと思います…。でもささやかながら応援していますし、ボランティア頑張ります…!そして!!作品とても大好きです!!!人読み惚れしてここまで来ました…!応援しています…!! (1月5日 13時) (レス) @page13 id: b7dec916ad (このIDを非表示/違反報告)
サラミザラ(プロフ) - 地震大丈夫でしたか!?後片付け等色々ありますよね……黎明さんのお話やイラストが見れないのは残念ですが、1から読み直したりして全裸待機してます!! (1月1日 23時) (レス) @page13 id: 250d9fc841 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:黎明 | 作成日時:2023年12月22日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。