『お話』 ページ19
『戦争から帰ってきた
私の父には何もかもが無く空っぽだった。
以前の勇ましさや生命力も
どこへやら。
あげるとしたら深い絶望や憎しみであった。
そんな父から淡々とこぼれた言葉。
この国が負けたと
父の同僚方が亡くなられたと
国に命もかけられないような奴は
いらないと
そして仕事を追い出されたと
何を言っているのか分からない。
父は国のために
いつも力を捧げてきたというのに。
それを 単に負けただけで
父の努力を切り捨てると言うのか
意味が分からない。
ーー父が亡くなった
戦争で同僚や部下達を
守れなかっただけでもショックだったろうに
さらにはずっと力を注いできた
国の仕事から追い出されては
精神にもくる。
そこまで追い詰められたのだろう。
実に不愉快だ。
なんだ 世界はそんなものか。
いくら時間を費やして
捧げてきたものも
勝たなければ意味がないのか
全ては勝たなければーーー』
「っは_____、はー」
勢いよく起き上がり
荒い息を繰り返す。
嫌な夢を見ていたらしい。
最悪である。
夢は完全に自分の事であった。
まだ幼かった過去の事ー。
周りで起こった出来事で
小さかった頭には
自分で解釈した考えが宗教的に
インプットされた。
それが間違った考えなのか
真実のことなのかは
分からないが。
この世は勝つことにしか
意味がない。
そう考えたらうんざりした。
だけど恐怖もあった。
自分はあんな風に死にたくない。
そんな下衆な思いで
必死に生にすがりつくように
剣を振り回す私は実に滑稽だったであろう。
それは今も変わらない。
小さい頃に染み付いた
勝利への執着。
馬鹿馬鹿しいとも思うがそれは
離れることは無かった。
それにルフレ。
あいつは気に入らないし。
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レトロノーム - ああありがとうございます遅くなりました (2018年11月24日 22時) (
レス) id: 1034171ba3 (このIDを非表示/違反報告)
まみむむも - めっっっっっちゃおもしろい 早く続きがみたい (2017年1月25日 16時) (レス) id: 72e344e020 (このIDを非表示/違反報告)
レトロノーム - そうですか！？すごく嬉しいっ(泣)ありがとうございます！ (2015年7月25日 5時) (レス) id: 06f60f49af (このIDを非表示/違反報告)
アイリ - とても面白いです！パルテナもよんでます！更新頑張って！ (2015年7月23日 13時) (レス) id: de10ffa78e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レトロノーム | 作成日時：2015年6月28日 22時
