二郎ちゃんの難解な恋-8 ページ9
ちょっとはドキドキしてくれねーかな?
俺がそんな期待をしながら、Aちゃんの代わりに机を運ぶと、Aちゃんが真横に来て耳元に手と顔を近づけて小さく言った。
A「じろーくん、」
二郎「…え?今なんて言った?」
A「も、もう言わないからっ!」
頬を赤くして、照れて恥ずかしそうに俺の腕にぽかぽかと叩いてくるAちゃん。
…いや、俺。
今のまじで最後何言ったか分かってないんだけど。
でも反応的に…イイコト?
オレのこと褒めてた?
でも褒めるだけなら耳打ちなんかしないよなぁ。
それに、照れるのも変だし。
…ふつーに、考えたら。
二郎「(…カッコイイ、とか?)」
いや。さすがに!
ない、とも言い切れない。
「…Aちゃん、なんて言ってたの?」
A「えっ?だ、だから…」
あいつが聞くと、あいつにだけAちゃんは耳打ちで教えていた。
…なんで俺は聞いちゃだめなんだよ。
しかもあいつなんかニヤけてるし。
「…二郎!頑張って自分で聞けよ!」
二郎「はぁ?教えろって。」
こいつにお預けされんのは腹立つなぁ。
ちょっとイラつきながら、目の前に座ってきたこいつに悪態をついた。
…横にAちゃんもいるし、控えてるけど。
お弁当を開けてるAちゃんをチラと見ると、目が合った。
二郎「なぁ。教えて?」
気になりすぎて飯よりそっちに意識が向く。
反応的に嫌なこと絶対言ってないよな?
てことは…
なんて想像するだけ、余計に聞きたくて仕方ない。
A「…どーしても?」
Aちゃんが小さく傾げながら俺の目を見つめてくる。
…可愛い。
二郎「うん。どーしても。」
「(おーい…目の前でイチャつくなよ。)」
お互いを見つめ合って数秒。
Aちゃんが目を泳がせた。
二郎「…?」
A「…み、耳打ちでもいい?」
そう言って照れながら俺の耳元で、「じろーくんが…」と、さっきと同じ言葉を言い始めた。
A「…さっき急に、頼れる感じがして。どきっとしちゃったの…。」
二郎「……」
はい。可愛い。
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作者名:リドル | 作成日時:2020年1月30日 23時