誤解が解けた義眼の女子大生が東都水族館に行く話。【純黒の悪夢】

医務室 ページ14

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　「元太くん！ 大丈夫！？」





　叫びながら近づいていくと、気絶していた元太くんが目を覚ます。





　「「良かった……無事で……………」」





　ん？





　「え？」





　女の人と私が、顔を見合わせる。





　二人で瞬きしていると、元太くんが笑った。





　「やっぱ、双子みてえだな、結衣姉ちゃんと姉ちゃん！」





　「「…………フフッ」」





　係員さんがくるまでの僅かな間、私達は笑いあっていた。





　唯一人、険しい表情を浮かべていた哀ちゃんを除いて。











　＊






　＊＊











　医務室。





　「あたたたた……」





　元太くんの足が当たってしまったらしく、顎にできた傷に係員さんに絆創膏を貼られて。





　椅子から立ち上がろうとした阿笠博士が痛そうに顔を歪め、係員さんに支えられる。






　「何で博士が一番痛がってるんですか……」




　「なさけねーな」




　「本当、子どもみたい」





　白い目で見る子ども達に、君らも年を取ると分かるわいと博士がぼやく。





　私も博士に見えないよう苦笑い。





　「そうだ、観覧車どうする？ 乗り直しに行こうか？」





　そう提案すると、光彦くんが元気に声をあげる。





　「そうですね、行きましょう！」




　「あ、でも、迷惑じゃ……」





　オッドアイのそれを細める彼女。





　「今さら、何言ってるんですか！」




　「姉ちゃんは俺の恩人だろ？」





　口々に言う子ども達。





　「だそうです。遠慮する必要、ないんじゃないですか？」






　私も彼女を見て言う。





　「んじゃ、乗りに行くか」





　コナンくんも合流しようとするのを、





　「待って！」





　哀ちゃんの鋭い声が制止した。





　コナンくんを呼び止めて、話そうとする哀ちゃん。





　私達が先に行こうとするも、それも阻まれてしまった。





　どうしたんだろう、哀ちゃん……？





　皆で一旦外に出ると、私と女性は同じベンチに腰かける。





　鳩にポップコーンをあげてはしゃいでいる皆。





　しばらくして沈黙に耐えられなくなった私はあることを思いだし、ポケットに手を入れた。









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