【ツイステ】運命の人は鏡越しに 『二枚目』［アズール･アーシェングロット］

最高のメリーバッドエンドを描いて ページ42

｢お姉たん、お兄たん！次も次も！｣

｢おうおう。次は何を読もうかなぁ……｣

｢何故、僕まで付き合わされているんでしょう……｣

｢良いだろ、主人公やってるだけなんだから｣

｢Aさんの声が七変化し過ぎなんですよ｣

｢お姉たんから、色んな人の声がするんだ！何で〜？｣

｢ふっふっふっ……私の声には、色んな妖精さんが魔法をかけてくれているんだなぁ！｣

｢そうなの！？おじたん！お姉たん凄いね！｣

｢あー、そうだな。凄いんならお姉たんに構ってもらえ｣

｢面倒そうですねぇ、レオナさん｣

｢めんどくせぇんだよ｣

｢お姉たん！｣

｢んー、今日はここまで｣

｢何で〜？｣

｢ふふ、よーく耳を澄ませてごらん。皆がチェカ君を呼んでるぞぉ〜？｣

｢……あっ！本当だ！皆が待ってる！バイバイ、お姉たん！｣

｢はーい。バイバイ｣

｢うん！また遊んでね！｣

｢またね〜。…………ふぅ……｣

｢子供慣れしていますね｣

｢純新無垢な子供は好きだよ？｣

｢…………将来的に、何人欲しいですか？｣

｢要らねぇ｣

｢はぁ！？子供、お好きなんでしょう！？｣

｢他人の子供はな。自分の子供はちょっと……無理……自分じゃない責任の塊……明らかに不合理でしかない……メリットが無い……｣

｢人の心が無い単語のオンパレードですね｣

｢仕方が無いね。私に道徳を求めるな｣

｢訳がわからない……｣

｢そんなら、きちんとブリーダーに躾られた、コリーかラブラドールを二匹買おうよ｣

｢何故、そこで犬？｣

｢ん？可愛いじゃん。それに、犬は利口だから。2匹の大型犬と、アズと私で、ずーっとイチャイチャしながら生きて、死ぬの｣

｢…………ふっ……ふふ、はは、あははは！｣

｢なんだよぉ。そんなおかしい事、言ったかなぁ？｣

｢いや、ふふっ、何だかAさんらしいなと｣

｢どういう事？｣

｢刹那的で、浪漫があって、それに何より浮世離れしているので……ふふ、良いですね。ずーっと、二人で生きて、生き残った方が先に亡くなった方を看取りましょう｣

｢良いねぇ。最高のメリーバッドエンドじゃん｣

｢ハッピーエンドはお嫌いでしたもんね｣

｢うん。例え私が天国に行っても、アズが地獄に落ちたら一緒に落ちてあげる｣

｢僕だって同じ気持ちですよ。僕だけ行っても意味が無い。なんなら、二人で堕ちて、契約で地獄を乗っ取り、商売をしましょう。信じれば、何でも出来る｣

｢あっはは！うん！アズが居たら、本当に出来ちゃいそうだね！｣

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