【ツイステ】運命の人は鏡越しに 『二枚目』［アズール･アーシェングロット］

重症患者の食事中 ページ13

｢働きたい｣

｢はい？｣

｢いや、働いてないと、何か、自分が何の為に生きてるかわからなく──｣

｢大丈夫、大丈夫ですから！そんな事言っちゃダメですよ！｣

｢何でそんなに慌ててんの？｣

｢鬱になんて負けないでください！Aさんには僕がいるでしょう！？｣

｢いや、あくまで世間話……｣

｢死んだら許しませんからね！良いですか！？僕をひとりぼっちにしたら、一生Aさんの魂を僕に縛り付けて！束縛してやる！｣

｢おいバブール、落ち着け｣

｢あ、でもAさんのゴーストに取り憑かれるのは良いかもしれませんね｣

｢おい！誰かこのタコ止めろ！！！｣

｢止められる筋合いなど無いじゃないですか！僕達は将来を誓い合った番ですよ！？｣

｢契約でな！？お前のユニーク魔法で契約して、(半強制的に)将来を誓っているだけだからな！？｣

｢合意の上でしょう！？｣

｢そうだな！二度とお前から逃げられないんだから！それで安心してくれよ！｣

｢安心出来たら苦労してないんですよ！僕があなたのせいで！枕を濡らす夜を明かした日がいくらあると！？｣

｢ごめん、ごめんじゃん……今はこんなだから、出来る事限られてるけどさ……｣

｢素直に甘えてください。僕に縋り、泣き叫ぶと良いですよ｣

｢……こんな時、どうしたらいいかわからないの……｣

｢……笑えば、いいと思いますよ｣

｢お前、このネタよくわかったな｣

｢好きだとお伺いしたので、イデアさんに頼んで全話見ました。対価に多少の手伝いはしましたが｣

｢すまんな……そこまでしてもらうと、何か申し訳ないわ……｣

｢僕が好きでやってるんです。気にしないでください｣

｢おう、そうか……｣

｢ほら、ご飯が冷めますよ。口開けて｣

｢いや、そこまでしなくても……自分で食べれるから……｣

｢前屈みになるのすら辛いんでしょう？杖を使った歩行練習なら、後で手伝いますから｣

｢世話好きか？？？｣

｢あなたにだけですよ。その後は入浴ですけど…………その状態じゃ、一人では無理ですね｣

｢身体拭いた方が早いよ｣

｢……ふふふ、そうですね。Aさんにしてはいい提案だ。後で準備をしておきましょう｣

｢……嫌な予感のする笑顔だなぁ……｣

｢それはそうでしょう。僕からのスキンシップはいつも、やんわりと流されてますし。受け入れて貰えるなら、願ったり叶ったりです｣

｢おう、なんかすまん……これからはアズから来てもええんやで｣

｢……言質、取りましたからね｣

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