心が身体を追い越しているんだ(物理) ページ28
「よちよち歩きですねぇ」
「でも、縮毛行くんだ！」
「かけ直さなくても良いと思いますけどね」
「んな訳。戻ってんだよ」
「付き添いましょうか？」
「自分で行ける！一人じゃないと甘えが出る！」
「そこまでストイックになる必要は無いでしょう……」
「行ってきます！」
「…………大丈夫か？あれ……」
────
「ただいまぁ！」
「お帰りなさい。見事に髪がぺったんこになって帰ってきましたね」
「せやろ？サラッサラになってきたぞ！」
「美容院帰りでご機嫌ですね」
「うん！」
「足首のマッサージしますよ。そこに座って」
「待って、やりたい事ある」
「何ですか……嫌な予感しかしない……」
負傷した右足のみで立つA。
彼女は何を思ったのか、「よし」と呟いてから──
──右足だけで飛んだ。いや、飛べなかった。
少しだけ浮いた身体。右足で着地。その勢いと重力が上乗せされた体重がかかる。右足に衝撃が走る。
「ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ」
崩れ落ちた。カピバラの断末魔の如き悲鳴をあげて。
Aのやった、一連の流れを見守っていたアズールは、口を開けっ放しにしてその光景を見ていた。
「な……何やってるんですか？」
「出来ると思ったんだ……」
「馬鹿じゃないのか……？病院送りになったらどうするんですか……」
「出来なかったよ……アズ……」
「やろうとするな。まだ段階が早いですよ」
「歩けるから出来ると思ったのに……」
「どう考えても無理ですけど？二日前に固定外したばかりですよね？どうして出来ると思ったんだ……」
「だって……杖無しでもちょっとした遠出が出来たから……」
「はぁ……Aさんって、頭は良いんですが、馬鹿ですよね」
「馬鹿なのは認める……」
「いや否定しろよ」
「痛い……」
「ほら、ここ座って。マッサージとストレッチしますよ」
「うん……」
「……ここは？」
「痛いけど、我慢出来る……」
「頑張ってくださいね、回しますよ」
「うん……」
「あまり無茶はしないでください」
「無茶はしてない」
「アレのどこが無茶してないって言うんですか？」
「あと数回やったら出来るはず……」
「ふくらはぎが張ってます。明日、筋肉痛を覚悟して下さいね」
「ひぇ……」
「馬鹿な真似するからだ」
「ご最も……」
「焦ってもいい事ないんですから、ゆっくりリハビリして下さい」
「ごめんね、アズ……」
「全くですよ。頼むから大人しくしてくれ……」
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とある誰かの作品倉庫(プロフ) - 茨の國のぼっちさん» ありがとうございます！！！もう願望詰め放題パラダイス(？？？)な自己満作品なのですが、喜んで頂けて泣いて喜んでおります！！(セベクボイス)結構お話も長いと思いますので、ぜひ、ご自分に合ったペースで読み進めて頂けると幸いです（笑） (2021年5月6日 20時) (
レス) id: ba04661380 (このIDを非表示/違反報告)
茨の國のぼっち(プロフ) - この作品にすごくハマりました！夢主とアズールの性格と、糖度が好きすぎます！一気に読んだらすぐ終わっちゃうので、一日頑張ったご褒美に読んでますw (2021年5月6日 18時) (レス) id: 9a68fed22a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とある誰かの作品倉庫 | 作成日時：2020年12月24日 9時
