役者としてのお呼び出し ページ29
「こんなん泣くわ……」
「どうしたんですか？顔をぐちゃぐちゃにして……」
「ヴィル君の独白が辛すぎる……」
「あぁ……そういえば、配信されたんでしたね」
「5章……しんどい……」
「泣かないで下さいよ」
「アズには見せないからね！」
「おや……チャンスだと思ったんですが……」
「ダメ！！！怒るよ！？」
「……Aさんって、善性の塊みたいなところありますよね」
「は？」
「人間らしくない程の善性なので、人間からしたら悪みたいな人だな、と」
「んー……そっか」
「ほら、涙を拭いて」
「んん……あ。ヴィル君の時間って、取れるかな？」
「はい？何故です？」
「良いから。あと……どの本が良いかなぁ……」
「……何か思惑がある様ですね」
「うん。でも、彼はストイック過ぎるから……あ。でも、演技力を求めるには良いかも」
「本当に何を考えているんだ……？」
「良いから！ほら！連絡して！」
────
「で、何で呼び出されてるのよ」
「よく来たね、ヴィル君！朗読劇をしよう！」
「は？アタシは忙しいんだけど」
「主役をして欲しいんだ！」
「話を聞きなさい」
「私の大好きな本なんだ。バイブルなんだ！一度でいい！頼むよ……！」
「そんな安売りしてないの」
「キスしてあげる！」
「お断りよ」
「キスなんて僕は認めてませんが！？」
「アズは黙ってろ！ヴィル君、何でもする。お願い！私の魂を揺すって欲しいんだ！」
「…………はぁ……必死ね」
「必死だよ」
「どうしてなの？」
「役者として、君の事が好きだから」
「好き……ね」
「うん。私、主役なんてやりたくない。でも、脇役もやりたくなかった」
「喧嘩売ってるのかしら」
「違う。私、ヴィル君が羨ましいんだ」
「アタシが美しいから？」
「悪役が似合うから」
「……もう一度聞くわ。喧嘩売ってるの？」
「売ってない。私、悪役がやりたいんだ。誰かの悪でありたい。恨まれたい」
「頭がおかしいのね」
「否定出来ないな」
「……で？話は聞くだけ聞いてあげるわ」
「有難う。単刀直入に言うね」
「何かしら？」
「卑屈な主役をやって欲しい」
「……は？」
「本はコレ」
「それ、好きですね」
「うん。大好きな本だよ。何回も読んだ。私の──…………」
「……一度だけよ」
「本当に？」
「その代わり、全国で流しなさい。主役が出来る所、証明してあげるわ」
「有難う！」
「別に良いのよ。私の為にもなると思っただけなんだから」
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とある誰かの作品倉庫(プロフ) - 茨の國のぼっちさん» ありがとうございます！！！もう願望詰め放題パラダイス(？？？)な自己満作品なのですが、喜んで頂けて泣いて喜んでおります！！(セベクボイス)結構お話も長いと思いますので、ぜひ、ご自分に合ったペースで読み進めて頂けると幸いです（笑） (2021年5月6日 20時) (
レス) id: ba04661380 (このIDを非表示/違反報告)
茨の國のぼっち(プロフ) - この作品にすごくハマりました！夢主とアズールの性格と、糖度が好きすぎます！一気に読んだらすぐ終わっちゃうので、一日頑張ったご褒美に読んでますw (2021年5月6日 18時) (レス) id: 9a68fed22a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とある誰かの作品倉庫 | 作成日時：2020年12月24日 9時
