依頼と世間話『next』 ページ15
フロイド先輩と食事が終わり、解散してから。
スマホの通知を整理していたら、メッセージが一つ入っていた。
「次来るの、早くない?」
まぁ、あのアズール先輩とリーチ先輩方が宣伝しているのもあるんだろう。
テスト対策ノートの件もあるし、あの人達の『そういう』手腕は驚くものがあるのも事実。
──私にそんな価値があるとは思えないけど。
まぁ、本当に珍しい男子校の女子だもんね。
それが、金を払えば彼女になるなら……まぁ、話に聞いたらそりゃ依頼するか。
誰かに予約される前に──ってやつでもあるのかも。
もしくは、一番に聞いたのが今回の依頼人なのか……
「よ、A。なんかあったか?」
「……別に。バ先の支配人から『例のバイト』の件」
偶に喋るだけのクラスメイトが、ケラケラと笑いながら話しかけてきた。
フロイド先輩曰く……えっと、ベニクラゲ?だっけ?である。
ぶっちゃけ、数回しか話した事ないから名前を覚えていない。
その男子生徒は、『隣で授業受けるから、詳しく聞かせろよ』と隣の席に腰掛けた。
「んで、俺もオクタヴィネル寮の三人組からの宣伝聞いたんだけどさ」
「へぇ?なんて?」
「「レンタル彼女」ってやつ?いいよなぁ、男の夢を叶える仕事。俺も頼もっかなぁ……」
「別にいいけど……この私が自分に対して媚び売って、可愛こぶって見せるのは気持ち悪くないの?」
「お前は普通でも可愛いじゃん」
「そりゃどーも」
「照れんなよ」
教室にトレイン先生がやってきて、教壇につき、授業を始める。
私は授業を聞きたいので軽く流していたのだけど、彼はめげずに話を続ける。
小声にしてでも聞きたい程、珍しいのだろうか。
「時給幾らだよ」
「3000円」
「はぁ!?……やべ……」
ベニクラゲの叫び声に、トレイン先生が『そこ。静かにするように』と叱ってくる。
合わせてルチウスが潰れた様な鳴き声を上げた。
─────
放課後になり、寮に戻る。
依頼の詳細をよく見ると、今回は着替えは無くていいらしい。
『制服で、メイクも変えなくて結構。イグニハイド寮にある、マップ上の部屋に向かってください』
こんな感じ。
イグニハイドか……夢を持つ童貞と、持たない童貞の二分化しそう……
後者だったら個人的に嬉しいな。
暇だったらゲームしたかったんだけど、仕方ない。
『ネクラ侍』さんにチャットで断りを入れる。
返事を見てから、その足でイグニハイド寮に向かった。
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とある誰かの作品倉庫(プロフ) - みーさん» わぁ、ありがとうございます!誤用しがちだったので助かります!ありがとうございます! (2021年6月3日 20時) (レス) id: ba04661380 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - すみまへんめちゃくちゃ誤字してました!謙遜する場合は「力不足」となります!本当すみません(泣) (2021年6月3日 15時) (レス) id: 9c701de065 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 初コメ失礼します!ページ25で夢主ちゃんが言っていた「役不足」は「役目が実力不相応に軽いこと」「与えられた役目に不満を持つ」となりますので、謙遜するのでしたら「役不足」が適任かと思います!楽しく読ませてもらっているのに初コメがこんな内容ですみません! (2021年6月3日 15時) (レス) id: 9c701de065 (このIDを非表示/違反報告)
とある誰かの作品倉庫(プロフ) - 43さん» 正解です!主人公の家柄はクトゥルフ神話系統の封印をしている設定になってます!気付いて下さり、またコメント頂きありがとうございます! (2021年6月2日 11時) (レス) id: ba04661380 (このIDを非表示/違反報告)
43 - お話の構造とか滅茶苦茶好きです…!もしかしてクトゥルフ要素入ってますか…? (2021年6月2日 10時) (レス) id: 1d67640196 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とある誰かの作品倉庫 | 作成日時:2021年5月27日 4時