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11話 ページ12

こうなったら、もう意地でも耐えるしかないよね。

「キヨマサ!お前、言うほど強くないね!!ほら、まだ立てるよ、私!!」

「A、もういい、やめろ!死んじゃう!」

タクヤの声が聞こえるが、キヨマサの沸点を最大にしたため、返事を返す余裕もない。でも、気づいた。

このまま煽ってた方が良くね??って。戦場の場で最初に死ぬのは、理性が切れた奴だ。物事を判断できなくなった奴は、一番最初に捨てられる!!

「死ね、花垣!!」

顔に真っ直ぐ飛んでくる拳をギリギリで避け、痛む体に鞭を打って、ガバ空きのキヨマサの腹に、1発蹴りを入れる。

「キヨマサ、アンタ……やっぱダメだよ。アンタのその蹴りじゃ、その拳じゃ、私の12年へたれた心は……直んねえよ!!」

逃げて逃げて……逃げて逃げて……。
辛いことから目を背けて、自分が楽になろうと4人とヒナ見捨てて……。

「何言ってんだよ、A!いいから引け!!もう、十分気合い見せたよ!」

「引けねぇんだよ!!引けねえ理由があるんだよ!!東京卍會……キヨマサ……勝つには私を殺すしかねーよ。まあ、もう、負けないけどね」

ニッと笑って人差し指を立てて、煽るように数回前後に動かせば、キヨマサのこめかみに青筋がたった。

「おいバッド持って来い!!」

客席に叫んだ。

「上等だ、殺してやるよ」

「……へえ、バッド使うんだ。やっば!!タイマンの意味わかんないの??主催がムキになってどーすんの?

ねえ、気合いもなんもねーダサ坊がよー、不良語ってんじゃねーぞコラってこの前私らに言ったけどさ、それ、特大ブーメランじゃない??

素手で私に勝てないからってバッド使うの?つーか、大して強くもない女にやられるとか、キヨマサって意外にザコ??」

確かに……という声が辺りで起こる。ほおら、すぐに熱くなるから。バッカじゃないの。……いや、でも、明日の朝日拝めるかな??

「オイ、キヨマサ」

天を仰いでいると、ふと、誰かの声がした。

「客が引いてんぞー。ムキになってんじゃねーよ、主催がよー。それと、女相手にバッドはねえだろ」

そちらを向くと、なんとまあ、コメントし辛い髪型をした男がいた。え、誰??

「金の辮髪、こめかみに龍の刺青……東京卍會副総長!!龍宮寺 堅、通称ドラケン!!」

アッくんが声を上げる。へー、副総長……は??副総長??

「ねぇねぇ?ケンチン?」

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作者名:くー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Qoo01411/  
作成日時:2022年7月4日 20時

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