12話 ページ13
「あ！？そのあだ名で呼ぶんじゃねーよ、マイキー」
「どら焼きなくなっちゃった」
ドラケンの後ろから出てきたマイキー。……あれ、なんか、佐野に似てね？もしや、弟？？えーめっちゃ可愛い顔してんじゃん。兄とは似ても似つかんね。
「なんだあいつ？」
「場の空気全然読めてねぇ」
次の瞬間、私ら5人以外の全員が頭を下げた。
「「「総長！！お疲れ様です！！」」」
は？総長？え……じゃあ、あの天使があんな悪魔に？……what？
「「「お疲れ様です！！」」」
「「「お疲れ様です！」」」
マイキー……否、佐野が歩く度に頭を下げる一同。いや、キモ。つか、佐野がどうでも良さそうな顔してんの笑う。
途中、赤石が話しかけていたけど、華麗なスルーを決めてて笑った。何でも、興味のない人とは喋らないらしい。それ聞いた時、赤石指さして笑うところだったわ。
「お疲れ様です」
軽く頭を下げるキヨマサの腹を、ドラケンが蹴る。え、今ヤバい音ならんかった？私でも出したことねえわ、それ。
「キヨマサー、いつからそんな偉くなったんだー？総長に挨拶する時はその角度な？」
おっっかねえ。つか、佐野、こっちに近づいてきてね？
圧がすごくて、無意識に後ろに下がろうとするが、あまりの痛みにそれは叶わず、尻もちを着く。
つか、私よくスカートでいけてたね、賭博。それより、この痛みでよく立ってられたわ。アドレナリンパネェ。
「お前、名前は？」
「……花垣」
「下」
「A」
佐野はそれを聞くと、「そっか…………渾名」と呟いた。あ？渾名？
「え、なに、どゆこと？」
「マイキーがそう言うんだからそうだろ？渾名」
「なにこの、天上天下唯我独尊的な考え方！！」
無理無理、しんどい。
思わず頭を抱え込んで下を向くと、ナチュラルーに佐野に顎クイをされ、強制的に目を合わせられた。
……あ゛あ゛あ゛、顔面の暴力。かっこかわいいは罪。しんっど。
「お前本当に中学生？」
「あ、あははは」
ノーコメントで。
「ま、いいや。渾名、今日から俺のダチ！！なっ♡」
……え。
何が起こったのか理解できずに、私はその場で動きを止める。マイキーはそれに気づくことはなく、そのままキヨマサに近づき、彼をボコボコにして行った。よく、顔陥しなかったな……。
「さて、帰ろっか、ケンチン。喧嘩賭博とか下らねー」
「東卍の名前落とすようなマネすんなよ」
「渾名、またネ♡」
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作者名：くー | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Qoo01411/
作成日時：2022年7月4日 20時
