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手当をしていると目を疑うものがあった。細い腕の面積いっぱいに広がるあざ。留三郎がここまでやっていないのは見てたからわかる。ましてや他の忍たまでもないだろう。天女と関わったなんて話聞いてない。
じゃあ一体誰が…
もしかして、【れいわ】の人にやられたんじゃ…
その可能性を見出すと、見落としていた違和感を見つけた。
彼女は殴られ蹴られるのに慣れているようだった。頭は守り、後遺症も残りかねない脊髄を隠し、ダメージの大きいお腹を抱えた。
こんなこと偶然にするだろうか。
極めつけは殴られる時に見せた(はいはい、またですか)というような諦めた表情。
静かに終わるのを待つ姿。
あんなに憎かったのに、そんな感情は無くなってしまった。大丈夫だろうか、寄り添ってあげたい。でも、まだ怖い。
保健委員の子たちはみんな優しくて毎度天女に優しくしていた。でも、そんな優しさを天女は踏みにじる。許せなかった。
まだ彼女を信用出来ないけど、大丈夫だと確信が持てたら保健委員の子たちに会わせたい。あの子たちの優しい心に触れて欲しい。そう思った。
彼女の手当てをしながら見極めることを決めた。
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作者名:きゅー | 作成日時:2024年1月19日 12時