23.蚊の話 ページ25
どうやら雲雀さんは、私を追い出す気はまだないらしい。てっきり、約立たずなところが"変わらないね"だとばかり……。でも良かった。なんだかんだ、風紀委員の仕事は頑張っているから。
｢やっぱ風紀委員に恨みのあるやつの仕業かな｣
｢違うよ｣
｢っ……ヒバリさん！？｣
聞き覚えのある声が前方からして、雲雀さんの後ろから顔を出す。そこには、やっぱり沢田さんがいた。それに、リボーンさんも。
｢ちゃおっス｣
｢やぁ、赤ん坊｣
雲雀さんの後ろから私も小さい声で挨拶した。とりあえず雲雀さんの横に並んで、沢田さんにも頭を下げる。お互いペコペコ頭を下げていたら、雲雀さんの視線に気付いた沢田さんがハッとして手をバタバタさせた。
……沢田さんって、なんだか近しいものを感じるんだよなぁ。
｢あの、僕は通学してるだけでして！決して悪口とか……｣
｢身に覚えのない悪戯だよ。もちろん、降りかかる火の粉は元から断つけどね｣
その言い方に、少し引っかかった。どこまでも自信に満ちた瞳は、まるでもう犯人のことを知っているような。その目を見ていると、視線がいきなり背後へ向く。
｢｢ひぃっ！！｣｣
ヒュッといい音がして目の前を掠めていくトンファー。思わず零れた悲鳴は、沢田さんと見事にシンクロしている。やっぱり、なんか同類な気が……。というか、雲雀さんはなんで急にトンファーを？雲雀さんが攻撃をしかけた先を見てみると、保健医のシャマル先生が倒れていた。
｢
｢シャマル先生！？｣
まさか気絶してるんじゃと焦る。でも、驚いたことに先生はピンピンしていた。少し痛そうにしてるけど。近くに女の子がいたし、また絡んでいたのだろうか。雲雀さんはシャマル先生を見下ろしている。
｢邪気を感じたんだけど、気のせいだったみたいだね｣
歩き出してしまう雲雀さんとシャマル先生を交互に見つめて、先生に一言注意する。この注意も、実は何度目か分からない。
｢あの、シャマル先生。以前も申し上げた通り、その、生徒に迫るのはだめです、ので。では！｣
私も何度か声をかけられたことがあった。なので、要件だけ伝えて雲雀さんのあとを追いかける。｢……雲雀さん？｣首元に手をやって、どうしたんだろう。あ、蚊かな。今飛んでた。雲雀さんも血を吸われるんだと思うと、蚊ってすごい。
｢Aちゃん｣
｢え、ぁ、シャマル先生……な、なんでしょう｣
何だか身の危険を感じる。
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まどろみ(プロフ) - 凛さん» ご指摘ありがとうございます！すぐ修正しておきます！ (2019年3月11日 22時) (
レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - こんばんは！雲雀さんの口癖は噛みじゃなく咬みですよー (2019年3月11日 22時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月10日 22時
