22.事件の話 ページ24
｢また、ですか……｣
渡された報告書を見て、思わずそう言ってしまった。風紀委員の方に礼を述べて、私は応接室へと向かう。私が握り締めている紙には、何人もの風紀委員の名前が連なっている。それに、一般生徒も。
｢あ、ひ、雲雀さん！｣
応接室へ着く前に、雲雀さんがいた。その顔はお世辞にも機嫌が良さそうとは言えない。もう雲雀さんの元には報告が上がっているはずだから、原因は火を見るより明らかだった。
私のことなんか気にせず歩くその人。でも、どうしても聞きたくて、咬み殺される覚悟で話しかけた。
｢並中生が狙われている今回の一件……その、こ、この中学そのものを
後半は小声よりさらに弱々しくなる。あの雲雀さんに睨まれてしまっては、続けるなんてできない。胸元の赤いリボンをいじりながら、やっぱり私の憶測なんて役に立つわけないよなと落ち込んだ。
｢君のその言い草だと、まるで特定の誰かを標的にしてるみたいに聞こえるんだけど｣
｢えっ……あ、その。私なりに、最近の狙われた人達について、考えて、みて……。でも、私の考えなんて当てには｣
｢言え｣
｢はいいっ！！｣
雲雀さんの命令口調初めて聞いた。怖いというか、もうイエス以外の返答をする選択肢すら浮かばなかった。私の話しを聞くと言いながら足は止めない雲雀さんに、口下手ながら意見を伝える。
｢ね、狙われたのは、風紀委員とその他一般生徒。
あくまで傾向、ですが……。上位は風紀委員、または部活動等で優秀な……言ってしまえば、動ける人間、なのだと思い、ます。多分。
あと、か、下位にいる一般生徒含め、これだけの人数がやられています。が、女子生徒がいません。たしか……。なので、無差別というより
まるで、敢えて強い人に喧嘩を売ってるよう、な｣
ここまで喋るのにかなりの時間を要した。自信なんて欠片もないし、根拠だって大したことはない。本当に、ただの当てずっぽうだった。校門前にいる風紀委員が雲雀さんに挨拶する中、私は今の話しに対する雲雀さんの見解を待っていた。
でも、聞くだけ聞いて反応無し。
やっぱり、ろくな話しじゃなかったから呆れてしまったのかもしれない。まさか、能無しと判断されて風紀委員やめろとか言われる？雲雀さんがこっちを振り返って眉をひそめる。
｢はぁ。本当変わらないね、君｣
｢す、すみません！風紀委員追い出さないで下さいぃ……｣
｢は？何の話し｣
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まどろみ(プロフ) - 凛さん» ご指摘ありがとうございます！すぐ修正しておきます！ (2019年3月11日 22時) (
レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - こんばんは！雲雀さんの口癖は噛みじゃなく咬みですよー (2019年3月11日 22時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月10日 22時
