【初音ミク】鎖の少女

意思 ページ18

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あい、いますぐほーるにき
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…ん、これだけ？
全部ひらがなのうえ、途中で図途切れていてる。

何だろう、胸騒ぎがする…。

もし奏がこのメールを送ったのではなかったら…？
返信はしない方がいいかもしれない。
そう思い、私はメールを読んだだけですぐにポケットのなかに携帯を入れた。

本当に奏が送ったならホールに行かないと…。

着替えを済ませたあと、必需品を持って部屋をあとにした。




｢かなでっ！｣

息を切らしながらホールにたどり着くと、奏の姿があった。

｢！！ 愛！？何で来たんだ！？｣
｢え？だって奏が呼んだんじゃん、メールで｣
｢呼んでねぇよ！！いいから今のうちに部屋に…！！｣

｢貴方たち、いつそんなに仲が良くなったのかしら？｣

悪寒が背中を駆け抜ける。

｢お、お母様…！｣
｢密会をしていたの？私は今から彼と話すの。貴女には聞いてほしくないからさっさと部屋に戻りなさい。｣

戻りなさい…？

｢嫌だ。｣

自分でも何をいっているのか分からなかった。
だが、言い出したら止まらなかった。

｢何で貴女に従わないといけないの｣
｢愛、お嬢様…？｣

奏はお母様の前だからなのか、私をお嬢様として扱ってきた。
何で。何でそんなことするの。
貴方は私を救ってくれた恩人。
奏もお母様に縛られているなんて…。

許せない。


｢私はもう、貴女の言いなりにはならない｣
｢…愛｣
｢貴女のあやつり人形じゃない。貴女の名誉を守るための装飾品でもない｣
｢愛｣
｢『愛してる』とか『貴女のためだから』って嘘だらけの言葉で私を縛らないで。惑わさないで！！｣
｢愛！！！｣
｢私の心は世界でひとつだけの物なんだから！！！｣

｢黙れ！！！！｣


っ！！

｢お前に何がわかるんだ！！早くに夫に捨てられて、一人で愛をここまで育てて、自分の会社の社長をやって！！
それなのにお前は自分が愛されていないとでも思っているのか！？ここまでお前に尽くしているのにまだわからないのか！？｣

｢…そ、それは…っ！｣

｢やっと愛も育って、やっと私の社長の代理も決まって、やっと手助けもしてくれて、やっと親孝行してもらったって思ってたのに…。
次は家を抜け出したいって…？
どれだけ私に迷惑をかければ気が済むの！？！？｣

｢………。｣

｢それは、違う。｣

奏が口を開いた。

｢何よ、よその子が何を言ってるの？｣

｢よその子じゃない。…愛。俺はお前の兄なんだ｣

｢……え？｣

突然の告白だった。

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