ツンデレ比率8：2[黄瀬涼太]

この声 君に届け ページ36

貴方side

後半になってから涼太の表情が変わって、試合の流れも少しずつ海常の流れに戻りつつあった









選手たちが試合中にそれぞれの良さがどんどん引き出されてきて流れがどんどん良くなっていった









そんなみんなを素直にかっこいいと思った









いつもはなにかにつけてギャラリーにサービスしてる涼太も今日は見向きもしなかった









それほど集中しているみたいだ









けど、それは誠凛も同じようで









全員からこの試合に勝ちたいという気持ちが伝わってきた









特に黒子くんからのパスを受けた選手はスムーズにシュートを決めている気がした









「おぉ、誠凛すげぇぞ！連続得点だ！！」









「でも、さっきからどっからボール来てんだ？」









「わっかんねぇけど、とにかくすげぇよ！ボールが全然見えねぇ！！」









ギャラリーには見えていないらしい









でも私にはわかる









黒子くんが試合の流れを変えてるってことが









貴「これならどっちが勝ってもおかしくない」









私はバスケなんてやったことないけど、それでも分かるくらいのすごい動き









自然と気持ちが高まり、気恥ずかしかった応援も気がつけば周りに負けじと声を張っていた









暑苦しい応援なんて自分には似合わないって思っていたけど









こうやって夢中で応援してる自分がちょっとだけ好きになった









そんな気持ちにさせてくれるバスケっていうスポーツは凄い









貴「海常！！頑張れーー！！！」









この声が みんなに届いてほしい














そして、バネにしてほしい















そんな想いをのせて私は声援を送った

彼の表情→←巻き返し

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す