恋人未満の恋人【桃】season5

#227 ページ43

〜ASIDE〜

あれからりねこ先輩と昼食を摂る日々が続いてる。

りねこ先輩曰くここにはあまり来るタイプでもなかったが。

たまたま見つけたこの場所で。

ここでご飯を食べるのが心地よいということでここで昼食を摂ってるらしい。

「先輩は彼女とかいらっしゃらないんですか？」

「…いねーよ、いらねぇし」

モテそうなのに勿体ない。

「そもそも誰か好きになって告白しても「誰？」で終わるのがオチ」

「えぇっ！？先輩モテそうですけど」

「買いかぶり過ぎ……教室の俺は存在感ないよ」

……なるほど、よく見たらイケメンだけど影が薄くて気づかれないパターンか。

「俺とお前なんてお前はマドンナ的なやつで俺は台詞もない少年A的なやつだ」

つまりはモブだと。

「でも、私は先輩が優しくて素敵な人って知ってます！」

「…お前くらいだよ、そんなこと言うの」

フッと薄く笑う。先輩はいい人だしかっこいいのに。

なんで影薄いんだろう？

あ、さとみという見た目だけは100億満点のやつがいるからか。

「お前は記憶の方どうなったの？」

「あ、定期的に病院には通ってます」

私の記憶は一生戻らないかもしれないし戻るかもしれない。

そう言われてる。そんな話をしていると目にゴミが入る。

「いたっ……目にゴミが」

「大丈夫か？ちょっと見せてみろ」

そしてりねこ先輩が頬に手を添えて顔を近づけたとき。

「っ……！」

私は何故か心配してくれたりねこ先輩がこれ以上近づくことを拒んでいた。

「あ、悪い…近すぎたな、目薬たしか持ってたような気がするから待ってろ」

「す、すみません」

どうして……。パーソナルスペースとかテリトリーとか？

そうゆう関係なのかな……。

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