恋人未満の恋人【桃】season5

#205 ページ20

〜ASIDE〜

バイト中。るぅとくんも一緒にやっていた。

「莉犬のおかげで開放されてよかったですよ」

「それにしてもるぅとくんって敬語なの癖？」

「はい、同年代にもついつけちゃうんですよ」

可愛いのにかっこいいし礼儀正しいし爽やかだし。

そりゃモテるよね、モテない方がすごい。

「実際腹の中は真っ黒だよ」

「天？僕のイメージ壊さないでね？」

……腹黒って言われるのわかったし、今タメ口じゃん。

「分かってるよ、言っても信じないよ」

まぁ今のところから見て信じられないよね。

「それに今のこのるぅちゃんも本物だしね」

天ってるぅとくんといると饒舌になるんだな。

「天、ころんくんといるときもそんくらい喋ればいいのに」

「無理だよ……緊張してるんだもん……」

恋人なんだよね？なら緊張無くそうよ。

この二人が中々進まなかったりしない？

それが原因天になったりしない？大丈夫？

「Aさん、顔が心配してる母親です」

あんまりにも心配しすぎてたようだ。

そして時間が経って帰ろうとしたときだった。

「あれ、さとみ」

「あれ、さとみじゃねーよ、待ってたんだけど」

珍しいなさとみが迎えに来るなんて、何気に初めてじゃん。

「どうしたの、迎えに来るなんて」

「簡単に言うと……」

そう言ってるぅとをちらりと見て渡しを抱きしめる。

「今の内に牽制、俺の彼女に惚れんなよ？」

「僕、彼氏いる女の子に言い寄るほど野暮な男じゃないので」

安心しろってことか。

「それに、あっちの学校では『女泣かせのるぅと』って異名持ってましたから」

「女泣かせと言ってもフっただけなのに」と言いながらため息をつく。

一体何人の女の子を落として告白されてフって来たのだろう。

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