404話 ページ39
「……全部、見てるっつーのかよ、えぇ?神父さんよぉ」
「そのつもりだったが───気にくわぬなら、それはわびよう」
「くだらねぇ。謝られたって、なんの足しにもなんねぇよ」
不貞腐れたようなザックを見ながら、しばしグレイは黙り込み、ふむ、と思い出したようにザックとAに目をやりながら口を開く。
「あぁ、そういえば、ダニーが課した問題を解くことは、ザック。お前のさがにいささか合っていないな……Aの方が、適任だろう」
「あぁ!?」
「しかし、A。お前は恐れているようだな。『問題を解く』ことを」
「……はぁ。お見通しなんですね、神父さまは」
「あぁ。なればザック、やはりこの問題はお前が解くべきだ。───少し手を貸してやろうか?」
「……あ?マジかよ」
「あぁ、ことが進まないのも、つまらないものだからな。どうにもならない時は、多少の助言はしてやろう。……そのかわり、私はお前たちの行動をこの目で確認させてもらうがな」
「……」
「───お前たちがどう出るか、何になろうとしているのか、何者なのか───私は見たいのだ」
「……わぁったよ。A、お前もそれでいいか」
「……うん。わたしには、無理なようだし」
ザックの投げやりな声と言葉に、Aもまた頷いた。やはり、力にならないことは悔しかったけれど、迷っていたままでは、きっとレイは救えない。
「あぁ、その前に、ザック。ひとつだけ聞かせてくれ」
「なんだよ」
「───お前は、レイチェル・ガードナーに"神"と言われ、どう思った?」
その問いに、ザックは少し機嫌を悪くしたようだった。
「どいつも、こいつも……───気持ち悪ぃよ」
「そうか」
「……なぁ」
「どうした」
「……難しいことばっかしゃべんなよ。俺からすればまどろっこしくてよぉ……お前ら全員、まとめてバカにしか見えねぇ!」
「……そうか」
そんな言葉を投げられて、グレイはふっと笑った。Aも少し苦笑する。神父に向かってこんな言葉をかける人は、おそらくザックしかいない。
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リア(プロフ) - ゆゆさん» ゆゆさん、コメントありがとうございます!そしてお返事が遅れて申し訳ありません……!ようやく夢主が前に進む覚悟を決めることができました。残るフロアはあとわずかですが、ぜひ最後までお付き合いください。これからもどうぞ、よろしくお願いいたします! (2021年9月25日 2時) (レス) id: d0c52e385f (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 続編おめでとうございます!!楽しみに待っていました!夢主ちゃんが、きちんと前を向いて進んでいけそうなので、ホッとしました。次はいよいよB1……。夢主ちゃんがどう動くのか、とってもワクワクしています。リアさんのペースで、更新頑張ってください!! (2021年9月4日 17時) (レス) id: 0ff7621059 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リア | 作成日時:2021年9月1日 16時