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385話 ページ20

それは耳に張り付いて離れない、いやでも聞き覚えのある男の声。───ダニー。
 Aはドアノブをガチャガチャと乱暴に回しながら、床に転がったおもちゃを振り返って睨みつける。迂闊だった。こんな馬鹿馬鹿しい罠にかかるなど。



「ダニー、テメェ!!」



 ザックが怒鳴る。部屋の中にはレイがいる。嬉々として「追い出せた」とほざいているダニーも、また中に。ソファの上で眠るレイに手を出されてしまう、そんな焦りからAは扉をドンドンと勢いよく叩いた。



「硬い……! なんでこのドアこんなに頑丈なの!?」



 Aがドン、と拳を叩きつけると、Aを押しのけてザックが扉を思い切り蹴りつける。なおもビクともしない扉に、ザックは苛立ちを叩きつけた。



「やぁ、ザック、A。そんなに強く扉を叩くんじゃないよ。疲れて寝ているレイチェルが起きてしまう。それに、こう見えてこのフロアの扉はとても頑丈にできているんだ。ザック───君の馬鹿力でも開かないよ!」


 扉の向こうからダニーの楽しそうな声が聞こえてくる。必死で扉を開けようとするこちらの状況が面白くて仕方ない───そんな、嘲るような笑い声。ザックの苛立ちは最高潮に達しつつある。



「おい、どういうことだ!? 開けろ!」


「そうだなぁ……開けてもいいんだけど、まだその時じゃないから……ねぇ、レイチェル……あぁ、早く目を覚まさないかなぁ」



 ザックの怒号に対してダニーは夢見るようなうっとりとした声でそう言ってみせる。思わずAの背筋に悪寒が走った。閉ざされたレイの瞼、その裏にあるレイの瞳を見つめながら、レイに手を伸ばすダニーの姿が扉越しにでも見えるような気がする。



「レイに何かしたら許さない……!」


「そいつに何かしたら殺すぞ……!」



 Aが思わず叫ぶと、ザックもまた怒りを顕にダニーをおどしつける。

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リア(プロフ) - ゆゆさん» ゆゆさん、コメントありがとうございます!そしてお返事が遅れて申し訳ありません……!ようやく夢主が前に進む覚悟を決めることができました。残るフロアはあとわずかですが、ぜひ最後までお付き合いください。これからもどうぞ、よろしくお願いいたします! (2021年9月25日 2時) (レス) id: d0c52e385f (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 続編おめでとうございます!!楽しみに待っていました!夢主ちゃんが、きちんと前を向いて進んでいけそうなので、ホッとしました。次はいよいよB1……。夢主ちゃんがどう動くのか、とってもワクワクしています。リアさんのペースで、更新頑張ってください!! (2021年9月4日 17時) (レス) id: 0ff7621059 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2021年9月1日 16時

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