102話 ページ12
次の部屋に進んで真っ先に目に入ったのは、正面の位置にあったドールハウスだった。
他にあるものは何かの棚のようなものと、机の上に置かれた一枚の紙、いつも通りのスピーカー、そしてモニター。
狭い部屋だった。
中でも最も怪しい、ドールハウスに近づく。ドールハウスの中は精巧な作りになっていて、いくつかの人形が置いてあった。
しかし、子供が遊ぶようなそれではない気がする。こんな場所にある時点で、子供用ではないことは明らかだが。
《はぁ〜い! ようこそ! よくまぁここまで来られました! あれぇ? ザックはドールハウスに夢中みたいね?》
ザックは流れ出したキャシーの声にも反応せずに、ドールハウスを見つめ続けていた。手を震わせながら、唇を噛み締めている。
口の隙間から、「チッ……」という舌打ちが漏れだしたのが聞こえた。
《あなたたちは指示役二人、労働者一人にわかれてもらうわぁ。二人で謎を解いて、一人がそれに従う……簡単でしょ?》
そこで、Aが床を見る。そこには、
『Worker』────労働者と。
『Navigator』────指示者の文字がある。
「どっちに行けばいいんだ?」
ザックがそう訊くと、レイはドールハウスがある『Worker』の方を指さして、「ザックはそっち」と言った。そしてレイは『Navigator』側で立ち止まる。
「レイ、指示者は二人だからわたしも『Navigator』側でいいの?」
Aがそう訊くと、レイは頷いて、手招きをする。
「こっち側にいてほしい」
レイがいる方、つまり『Navigator』側にAが行くと、キャシーの声が部屋に響き渡った。
《じゃあゲームを始めましょう。制限時間は死ぬまで。スタート!》
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鬼灯黒狐(プロフ) - 更新私の方が遅いので大丈夫ですよ(;´д`)w (2018年10月4日 21時) (レス) id: 28c4276209 (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 鬼灯黒狐さん» ありがとうございます!最近更新速度がおちてしまっていて申し訳ないです(>_<;)これからもがんばりますので見てやってくださいm(*_ _)m (2018年10月2日 7時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
鬼灯黒狐(プロフ) - ザック最高...更新頑張ってください! (2018年9月30日 20時) (レス) id: 28c4276209 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リア | 作成日時:2018年9月8日 19時