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32話 ページ33

「なんだここ……寒いな」



 ザックがぼやく。確かに、肌寒い。レイはきょろきょろと辺りを見回し、空間の両脇に張られた水に目を止める。その辺りに、何かが沈んでいるのが見えた。レイとAはじっと目を凝らしてみたが、案外水は深く、透明度が低い。水の中に入ろうかと思い、手を水の中に突っ込んで水温を確かめるが、その冷たさにすぐに手を引っ込めた。



「この水、すごく冷たい」



 パタパタと手を振って水気を払う。



「水の中に何があんだよ?」


「……なんだろう」


「わかんねーのかよ。じゃあ俺にもわかんねーよ! わかんねーもん見つめてても仕方ねぇだろうが。オラ、さっさと行くぞ!」



 先に進み扉をあけると、そこには広がった空間があった。古びたレンガで作られた壁、そして床には一面、柔らかくて湿った土が敷き詰められている。


 そして、極めつけは誰かの名前が刻まれた小さな墓石。それが、いくつも並べられていた。ビルの中とは思えない土臭さにAは顔をしかめた。



「……第二墓場って書いてある」



 レイが壁のプレートをみてそう言った。Aは墓石の群衆を見回して、その中でひときわ大きなものを見つけ、近づく。



(……これ、お墓じゃない。石碑だ)



 正面にまわりこむと、なにか文章が記されている。



 "清らかにならざるものの墓"


 "主にも天使にも望まれぬ哀れな者たち"


 "土に埋もれ、地に落ちて、浄化されるのを待て"



 読み書きはあまり得意ではないが、なんとか一通り読むことができた。ただし、意味はさっぱり分からない。



(天使……)



 ────天使か、生贄か。



 あの言葉には思ったより深い意味があるのかもしれない。見逃してはいけない、重要な意味が。


 と、レイとザックの方を見てみると、二人は石碑から少し離れたところに掘られた大きな穴をのぞき込んでいるようだった。



「そんなに入りてぇか」



 おそらく墓穴であろう、その穴の中をじぃっと見つめているレイにザックが呆れたように訊く。



「……ダメみたい……この穴、もう入ってる」



 Aが二人の所へ行って、中をのぞき込むと、うずくまったような、生々しい男の死体があった。



(……痛い)



 また頭が痛くなる。無意識に目をそらしていた。



「……何かある」



 レイは何かを見つけたらしい、手を伸ばして死体をまさぐり始めた。だがなかなかとれないらしい、苦戦している。

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暇人9号(プロフ) - リア.........。オリキャラと同じじゃん。 (2020年12月20日 13時) (レス) id: 2a2b2b394e (このIDを非表示/違反報告)
9Sに殺されたいロリコン - リアさん» 派手さがますのでアタシはオススメしませんけどね…… (2019年12月8日 18時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
日向クロ - 「ベースデザインを設定」で背景は変更できますよ。 (2019年5月25日 19時) (レス) id: 1e8f4916fe (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 日向クロさん» 初めまして、コメントありがとうございます!この小説を読んで下さり、ありがとうございます。背景の色、ですか…実はあまり占ツクの使い方分かってないのです(汗)なるほど、背景の色を変えれるのですね!色々試してみますね、ありがとうございました! (2019年4月27日 9時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
日向クロ - 初めまして。とても面白いお話ですね!ところで、背景の色を変えたりはしないのですか?それやると面白さが上がると思いますよ! (2019年4月21日 18時) (レス) id: eebf1123f7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2018年8月4日 21時

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