33話 ページ34
「はぁ？ んなもん、こうすればいいだろ」
つかつかと歩み寄ったザックが、穴の中の死体を容赦なく踏みつける。
何度も、何度も、何度も。
あっという間に男の死体は、ぐちゃぐちゃになっていく。チラリと穴の中を見てみると、見なければよかったと後悔する羽目になった。
「……足が外れちゃった……」
ゾッとした。死んでなお、これでは死にきれないだろう。レイが穴の中から鍵を引っ張り出す。どこの鍵かは分からなかったが、ふと目に入った扉にレイは歩み寄って、その鍵を使った。ビンゴ。運良く当たりだったらしい。
(『保存室』……)
扉にはそう書かれたプレートが貼られていた。冷気はそこから漏れ出しているようだ。扉をあけると、桁違いの冷気が広がった。
(冷凍庫の中にいるみたい……)
急速に冷やされた皮膚に鳥肌が立ち、Aは腕をさすった。レイも寒いらしい、少し顔が青白い。
部屋へ入っていく。レイが辺りの冷蔵庫らしきものを調べているあいだに、Aは奥へ進んだ。エレベーター前の部屋と同じように、水路があって、短い橋がかけられている。その先の壁は、脆くなってひび割れていた。
(壁が脆くなってる……湿気のせいかな)
壁を指先で突っついただけでもパラパラと破片が落ちてくる。崩落などされると元も子も無いので、触るのを辞めることにして、次に水路の中に目を凝らした。
「……あ！」
小さく声が出た。水の中に何か光るものが落ちている。今度は水深も浅いし、これなら行けそうだと思いながら、えい、と手を突っ込んで光るものを掴み取る。
(鍵だ……！ これはお手柄かな)
急いでレイのところへ持っていく。
「レイ、これ」
「鍵……どこで見つけたの？」
「水の中。今度はちゃんと取れたよ」
少し自慢げに笑う。またザックがため息をついたのが聞こえたが、もう気にしないことにした。ザックの方も、殺す気が失せたらしい。
「ここの反対側に、もう一個通路があった。多分、そこにも部屋があるはず」
「鍵見つけたんなら行くぞ！ こんなさみぃところ、さっさと出るぞ！」
「うん」
保存室からでると、やはり肌寒いものの、寒さはマシになった。鳥肌が立ちっぱなしの腕をさすって、反対側の通路へと向かった。
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暇人9号(プロフ) - リア.........。オリキャラと同じじゃん。 (2020年12月20日 13時) (
レス) id: 2a2b2b394e (このIDを非表示/違反報告)
9Sに殺されたいロリコン - リアさん» 派手さがますのでアタシはオススメしませんけどね…… (2019年12月8日 18時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
日向クロ - 「ベースデザインを設定」で背景は変更できますよ。 (2019年5月25日 19時) (レス) id: 1e8f4916fe (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 日向クロさん» 初めまして、コメントありがとうございます！この小説を読んで下さり、ありがとうございます。背景の色、ですか…実はあまり占ツクの使い方分かってないのです(汗)なるほど、背景の色を変えれるのですね！色々試してみますね、ありがとうございました！ (2019年4月27日 9時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
日向クロ - 初めまして。とても面白いお話ですね！ところで、背景の色を変えたりはしないのですか？それやると面白さが上がると思いますよ！ (2019年4月21日 18時) (レス) id: eebf1123f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リア | 作成日時：2018年8月4日 21時
