27-6 ページ25
赤司と黒子は外に出た。
月明かりが彼らを照らしている。
「バスケに関しては相入れる事はないが、こういう面では尽く僕と気が合うと思っているよ。」
「そうですね。今の僕達は澪さんがいるから繋がっている。バスケでもそう出来れば嬉しいんですけれど。」
黒子は少し寂しそうに言った。
赤司は横目でそんな黒子を見やり、星空に視線を向けた。
「険悪でいたい訳では無い。全員の才能が開花してからはチームワークが無意味である事を知っただけだ。こうなるのは必然だ。」
「はい。分かっています。」
無表情にそういう黒子を、赤司はチラリと盗み見た。
息を吐いて、口を開く。
「テツヤ、1つ質問をしよう。」
「何ですか?」
「僕達とバスケでも繋がりたいか?それとも、澪で繋がりたいか。」
「どちらもですけれど…。それはどちらか選べと言うことですか?」
「あぁ。僕は、澪がいれば他は何もいらない。バスケなど捨てて構わない。そのくらいには、どうでもいい。」
赤司は、黒子に態とそんな質問をした。
その意図は黒子には理解出来なかったが、黒子は赤司を真っ直ぐ見つめ、口を開いた。
「僕はバスケが好きです。皆と楽しく出来たらいいと、そう思っています。
ですが、澪さんが絡んでくるなら別ですよ。侮らないでください。現にこうまでして澪さんの全てを僕は欲した。届く事はなくても、限りなく近づく為に。バスケくらい、僕だってやめて構わない。天秤にかけることさえ有り得ない事です。」
黒子はそう言い、滅多に見せない威圧を含んだ目で微笑んだ。
赤司は一字一句聞き逃さず、それを耳に入れた。
赤司は目を瞑り、その言葉を頭の中で反復した。
.
13人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
渡部真生(プロフ) - はじめまして☺️ このお話大好きです! リクエスト?なんですけど、名前設定出来るようにしてほしいです! (2月16日 21時) (レス) @page11 id: b82fcb3efa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぽるしぇ | 作成日時:2020年11月16日 0時