6. 約束した彼 S side ページ8
仕事も終わって、明日の準備も終えてひと息ついた。
「ん〜！！今日も疲れたぁ〜」
明日はジャニーさんに呼ばれてるから、全員で行かないとなぁ〜、事務所集合でいっか。
スケジュール帳を見ながらそんなことを考えてると、今日の話を思い出した。
「…カズがどこでなにをやってるか…かぁ」
おれにとってのカズは、弟みたいな存在であり対等な関係にあったと思う。
Jr.の頃、少し…いや、結構グレてたおれにとって、側にいたアイツは日々の話をするいい話相手だった。
どんな話もしっかり聞いてくれて、話してて楽しかった。
おれがジャニーズを辞めたいと思っていたことも。
嵐になるって決まって、どう辞めたらいいのか悩んだことも。 アイツは知ってる。
でも、アイツは選ばれていなかったんだ。
おれはアイツの気持ちを考えずに話してたのかもしれない。 今では後悔している。
「…辞めるはずがないんだ…」
天井を見つめながら、思わず呟いた。
そう、辞めるはずがない。 だって約束したから。
おれが辞めたいと思ってたのに嵐になったとき、アイツがおれに言ったんだ。
『おれ、翔ちゃんが嵐を本当に辞めたいと思うまで、ジャニーズ辞めないでいるよ！
例え、踊れなくなっても、歌えなくなっても。
だからさ、嵐が活躍している姿、近くで見せてよ！！』
「言ったのはそっちなんだからな…」
例え、踊れなくなっても…。歌えなくなっても…。
なにがなんでも居続けてやるとカズが言ったんだ。
約束を破るなんてこと、カズはしない。
だからこそ、まだカズはジャニーズにいるはずなんだ。
「会いたい…、そう思うよ。」
おれだって会いたいんだ。
会って、ごめんって。 ありがとうって言うんだ。
気持ちを考えずに辞めるって言ってごめん。
ずっとずっと応援しててくれてありがとう。
背中を押してくれてありがとう。
友達でいてくれてありがとう。
ちゃんと、伝えたい。
「そのためにも！明日、ちゃんと聞かないとな！」
そう思い、寝る支度を始めてあとは寝るだけにした。
ベットの側に目覚ましをセットしたスマホを置く。
「う〜っと〜」
伸びをして、ベットに横になる。
横になればやっぱり疲れてたからか、すぐに眠気が襲ってくる。
あとはもう、明日に備えてぐっすり寝るだけ…。
…ぐっすり寝過ぎて寝過ごさないようにしないと！！
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作者名：華美月 | 作成日時：2023年1月8日 20時
