二十六通目 ページ28
*
(Aside)
この職に就いて早5年。同じ伝達員の父に、大空に憧れて、その憧れをそのまま持ったままひたすら仕事を全うしてる。
その父も引退、相棒のペリッパーを私に預けてくれた。
つまり私は父の気持ちも込めて仕事をしなければならないと思っている。
その私が、失敗したのだ。
『…クビかなぁ…？』
ドアから離れ、元いた場所に戻る。
帽子を深く被り、唇を噛み締めるがこの悔しさは消える気配がない。
暫くすると落ち着いたのかいつもと変わらない顔色をしたダンデが部屋に戻ってきた。
「すまない、長話をしてしまって」
『問題ありません。オーナー』
「…何か、怒っているのか？ オレのせいならすまない」
「いいえ、オーナーのせいではありません。仕事は終わりました。自分は伝達員です。契約は終了です」
私はここから離れる必要がある。
私は、この恋心に別れを告げなければならない。
『お話は以上ですね。伝達のご依頼ありがとうございました。
…またのご利用、お待ちしております』
さようなら、ダンデ。
ドアに手をかける。後は出ていくだけ。
『…まだ、何かありますか？』
「ある！！ おそらくだが、君は何か勘違いをしているぞ」
ダンデが後ろから手を重ねている。
早くどけて、もうここにいたくない。
『勘違いですか。してても問題ありません
仕事は終わりましたし、ああそれか報道の件ですか？』
「A」
少し低く、安心する声に包まれる。
抱き締められていると気付くのに時間はかからなかった。
このまま彼に包まれて眠りたい。だがそれを私が、世間が許すわけがない。
『あの』
「好きだ」
少しの間。
『…オーナー』
「好きだ」
何かを言おうとする度に彼答える。
その発言に首を縦に振れたらどんなに楽だろうか。
そのまま私を抱いたまま彼は言葉を紡ぐ。
「どうか聞いてくれ。
…あの手紙は君に送った物だ。まさか母さんに送るとは思わなかったが…。
遠回しな表現が好きだと聞いたことがあったからやってみたがやはり、俺らしく伝えることにする。
Aが好きだ。報道が嫌なら公開はしない。
どうか君の1番をオレにくれないか」
真剣で真っ直ぐな目で射抜く。
その目と裏腹に表情は今までのダンデの中で1番優しい顔をしていた。
「何度でも言う。オレはAが好きだ。
君は”オレにとってガラル1特別な人“だぜ！」
続く
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加茂&夏油の嫁(プロフ) - No.3さん» 楽しみです！！ (2022年11月4日 16時) (
レス) id: ef07d69be6 (このIDを非表示/違反報告)
No.3(プロフ) - コメントありがとうございます！ お話に行き詰まってしまい更新までまた暫く掛かるかもしれません！ これからも頑張ります！ (2022年11月4日 15時) (レス) @page23 id: b2b09338e3 (このIDを非表示/違反報告)
加茂&夏油の嫁(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！！続きが楽しみです！！更新頑張ってください！！ (2022年11月4日 13時) (レス) @page23 id: b9ff96342c (このIDを非表示/違反報告)
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