30 ページ30
・
天文台の塔の頂上へと続く階段を登り終える頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。
Aは息をきらしながら、頂上からの景色を見た。
相変わらずそこから見る景色は綺麗だった。
高い所だからか、何となく空気も美味しい気がする。
大きく伸びながら、深呼吸をした。
ーみんなはもうお家に着いたかな…
シリウスは、良いお家が見つかるといいけど。
ジェームズとふざけてばっかりで、結局見つからない可能性もあるけどね…
Aはクスッと笑った。
「あれ、久しぶりなお顔が見えるぞ」
急に声がして、誰も居ないと思っていたので驚いて飛び上がった。
振り向くと、ブルーとシルバーのタイが目に入る。
『あ…ビックリした、貴方は…レイブンクロー寮の…』
「覚えてる？エリオットだよ。エリオット・ターナー」
そう言って彼はニッコリと微笑んだ。
『そりゃ覚えてるよ。だって貴方目立つもん』
ジェームズの悪友の彼は、何かと目立つ生徒だった。
イベントで司会をやったり、皆の前に出て何かをする事が多く、接点は無くとも目にする機会が多いのだ。
少し前までは、Aにやたらと関わってきたが、シリウスと付き合う様になってから、パタッとその関わりが無くなっていた。
こうやって話すのはとても久しぶりだ。
彼は肩を竦めた。
「いや、君に言われたくないけどね？シリウス・ブラックと君が恋人同士になったのは、全生徒の中でも衝撃だったぜ？天使ちゃん」
『その呼び方やめてよ…』
Aが顔をしかめると、エリオットはクスクスと笑った。
「だって、本当に天使の様に可愛いんだもの。ジェームズがよく言ってるよ。�猖佑離螢蝓爾禄�神、Aは天使�瓩世辰董�…あーあ、ブラック君が羨ましいよ」
その言葉に、Aはやれやれと肩を竦めた。
エリオットはAの側に立つと、景色を眺めて目を細めた。
「…ここから見る景色は素晴らしいよね。僕はあまり登らないけど、君はよくここへ来てるだろ？」
『うん、何で知ってるの？』
「言っただろ？君の事、狙ってたって。そんな事はリサーチ済みさ」
ニヤッと笑う彼に、Aはアワアワとした。
ーそう言えば、そうだったな…
でもそのおかげで、シリウスと付き合う事になったのだ。
彼が気付かせてくれたのだ。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 573人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
心夜 - そうなんですね。これからも宜しくお願いしますo(*⌒―⌒*)o (2021年1月10日 13時) (
レス) id: d958da9fc4 (このIDを非表示/違反報告)
piyo(プロフ) - 心夜さん» 心夜様、コメントありがとうございます！自分で作っておいてなんですが、私もです…(^^; 前作の大人編を作る時に決めてしまったので…（汗 ルーピン先生とのバージョンも余裕あればいずれ作りたいな、と思っております。これからもよろしくお願いします(^^) (2021年1月10日 10時) (レス) id: 1647fc4bda (このIDを非表示/違反報告)
心夜 - ルーピン先生押しのため少し残念ですが、楽しみに読ませて頂いてます。頑張ってくださいねo(*⌒―⌒*)o (2021年1月10日 7時) (レス) id: d958da9fc4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：piyo | 作成日時：2021年1月7日 1時
