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「…お久しぶりです、A先輩。ドレス姿、とても良くお似合いですね」
レギュラスはそう言って、微笑んだ。
Aは驚いた表情のまま、固まってしまった。
『…ま、幻…?』
そしてやっと言葉を発したかと思えば、素っ頓狂な声でそんな事を言うものだから、レギュラスは思わず笑ってしまった。
「現実ですよ」
すると、Aは怒ったような泣き出しそうな、よくわからない表情になった。
『…もう、今までどこで何をして…!!』
大声で言うその唇に、レギュラスはスッと人差し指を当てた。
Aは口をつぐむ。
ーいつしかもこんな事があったような…。
Aが一瞬そう考えていると、レギュラスはフッと困ったように微笑んだ。
「…色々と言いたい事があるのはわかります。でもどうか、何も言わないで欲しい」
『…でも』
「…時間が無いのです。本当は、貴女を一目見たらすぐにここを去ろうと思いました…ですが、いざ貴女の姿を見たら、なかなか眼を離す事が出来なかった」
レギュラスは笑顔のまま、Aを愛おしそうに見つめた。
その笑顔が、とても哀しく見えた。
『…レギュラス君…辛い…?』
「…何故?」
『何だかすごく、悲しそうだ』
レギュラスは思わず感情が溢れそうになったが、何とか堪えた。
取り繕うように、わざと戯けた表情を作る。
「そうですね…そりゃ悲しいですよ。貴女が兄さんの恋人になってしまったのだから」
そう言えば、Aは顔を赤らめアワアワと焦った。
レギュラスは再び微笑んだ。
「…でも」
『?』
「…貴女が幸せなら、それで良いです」
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心夜 - そうなんですね。これからも宜しくお願いしますo(*⌒―⌒*)o (2021年1月10日 13時) (レス) id: d958da9fc4 (このIDを非表示/違反報告)
piyo(プロフ) - 心夜さん» 心夜様、コメントありがとうございます!自分で作っておいてなんですが、私もです…(^^; 前作の大人編を作る時に決めてしまったので…(汗 ルーピン先生とのバージョンも余裕あればいずれ作りたいな、と思っております。これからもよろしくお願いします(^^) (2021年1月10日 10時) (レス) id: 1647fc4bda (このIDを非表示/違反報告)
心夜 - ルーピン先生押しのため少し残念ですが、楽しみに読ませて頂いてます。頑張ってくださいねo(*⌒―⌒*)o (2021年1月10日 7時) (レス) id: d958da9fc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:piyo | 作成日時:2021年1月7日 1時