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それから、シリウスは再び様々な人達と挨拶を交わしたり、談笑していた。
Aは汗を拭い、側のテーブルからグラスをとって水を飲み干した。
『…ふ〜…あっつ…』
ー外の空気でも吸いに行こうかな。シリウスは忙しいみたいだし…
彼をチラッと見ながらそう考えると、パーティー会場から静かに出て行った。
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外に出ると、ヒュッとした冷たい空気を感じた。
空を見上げたが、星は見えなかった。
分厚い雲が月をも隠し、辺りは闇に包まれている。
周囲には、濃い霧も漂っている。
ー今日日中は晴れてたのになぁ…
残念そうに溜め息をつく。
しかしその後、Aは何かに気付いた。
少し先の道から、見覚えのある人物がこちらを見ていた。
『あれ…?シリウス…?』
霧にまみれてよく見えないが、あの整った顔立ちは、紛れもなく自分の恋人だった。
ーさっきまでみんなと話してたのに。
ていうか、もう着替えたの?
キョトンとしながらそう思っていると、彼は踵を返して立ち去ろうとした。
『あ…!ちょっと…待って!』
Aは慌ててその後を追いかけた。
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『はあっ…やっと、追いついた…!!』
結構走って来てしまった。
Aは彼の腕を掴むと、肩で息をしながら、顔を上げた。
そして、ハッと息をのみ、目を見開く。
今目の前にいるのは、自分の恋人なんかじゃ無い。
似ているけど、全く違う。
『……レギュラス君……』
そう呟いた言葉が、闇に溶けて消えて行った。
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心夜 - そうなんですね。これからも宜しくお願いしますo(*⌒―⌒*)o (2021年1月10日 13時) (レス) id: d958da9fc4 (このIDを非表示/違反報告)
piyo(プロフ) - 心夜さん» 心夜様、コメントありがとうございます!自分で作っておいてなんですが、私もです…(^^; 前作の大人編を作る時に決めてしまったので…(汗 ルーピン先生とのバージョンも余裕あればいずれ作りたいな、と思っております。これからもよろしくお願いします(^^) (2021年1月10日 10時) (レス) id: 1647fc4bda (このIDを非表示/違反報告)
心夜 - ルーピン先生押しのため少し残念ですが、楽しみに読ませて頂いてます。頑張ってくださいねo(*⌒―⌒*)o (2021年1月10日 7時) (レス) id: d958da9fc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:piyo | 作成日時:2021年1月7日 1時