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リゼといつも会う廃ビルに向かう
って言っても今日は約束をしてないから突然押しかけて来てるんだけどね
そんなことをしなくてもリゼは大概そこにいる
今日もそんなつもりで来た
2人でよく、そこで食事をしたこともあったかなぁ
リゼは私から見て正直何思ってるのかよく分からなかったけど、何となく居心地は良かった
ただかといって特別仲良かったとか特別好きだったとかそういうことはなかったと思う
白鳩に追われてた時にここに逃げてきて、そこにたまたまリゼがいただけ
それから、何故か話すようになって、毎月13日にここにきて会う約束をしている
今日は全然13日じゃなかったけど、なんとなくリゼはいつもそこにいるから、
今日もいつもみたいにいる気がした
「リゼー、私だよ」
…
私の呼びかけは虚しく反響して消えていった
そこにリゼは居なくて、居ないどころじゃなくてずっと帰ってきてないような気味悪さがあった
「…リゼ?」
でも、ただ帰ってきてないだけかもしれない
リゼの話だ。どうせどっかの男の人拾って食べてるんだろうな
そういう風に思おうとしたけど、さっきまでドアの奥にリゼがいる気がした感覚が嘘のように代わりに孤独が襲った。
孤独と気味悪さに耐えられなくなって、結局部屋を飛び出した。
気分転換にコーヒーでも飲んで帰ろうかな
きっと、きっと次の13日にはリゼに会えるはずだから、その時にたっぷり話そう
結局、私の悩みは解決するどころか、増えて、無駄足だった
よし!やけ飲みや!コーヒーだけど!
特にこだわりもなく目の前にあった「あんていく」という喫茶店に入った
落ち着いた雰囲気と美味しそうなコーヒーの匂いがさっきまでの色々なブラックな感情を包み込んでくれる
?「いらっしゃいませ!」
まだ慣れていないのか、少しぎこちない挨拶で眼帯の子が迎えてくれた
ん、??待て
…
『なんで、あんたからリゼの匂いがするの?』
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作者名:むぎ x他1人 | 作成日時:2018年5月15日 23時