もしも、神様ってやつがいるならさ。 (ページ8)

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翔「全く…。大野さんは雅紀に甘すぎるんですよ」

智「いいのいいの。自由に気楽にが、うちの店のモットーだから(笑)」

雅「やったー！自由なのも気楽なのも俺超好きー！(笑)」

少しも悪びれる様子もなく、ぎゅうぅっとおーちゃんに抱き着く雅紀くん。

それを櫻井が、不満そうにじとーってした目で眺めてる(笑)

智「こらこら雅紀…。俺のエプロン、小麦粉とかバターで超汚ねぇべ？汚れちまうぞ？」

雅「げっ！それ早く言ってよ～！！俺のエプロン真っ白けになっちゃたじゃーん(笑)」

翔「お前が勝手に大野さんに抱き着いたんだろーが。少しは礼節をわきまえろ」

やいやい言い合ってる三人。

でも本当に仲が良さそうで、微笑ましい。

「おーちゃん、今日のメロンパンもさいっこうに美味しい！！」

沙「このレーズンロールも。生地にバターが良い感じに溶けてて絶妙」

バスケットの中のパンを沙友里と半分こして。

アイスコーヒーと一緒に次々と食べ進める。

ああ…。美味しいパンを頬張りながら、コーヒーが飲めるって幸せ。

今日一日の疲れも、一気に吹き飛んでしまうほどの威力だよ…。

元々私がルミエールを知ったきっかけは、ここでバイトをし始めた櫻井に誘われたことだったけど。

今じゃ、櫻井に誘われなくてもしょっちゅう足を運ぶ常連さん。

これはもう、一度ハマったら抜け出せない深い沼のようで。

おーちゃんが作る甘い甘いパンの誘惑に、勝てないのだ…__________。

「私、おーちゃんと結婚したいな～。したら、毎日おーちゃんの美味しいパン食べ放題でしょ？(笑)」

翔「おいこら、A…！」

少し離れたとこでテーブル拭きをしていた櫻井が、振り返って私を鋭く睨みつける。

…ちぇっ。地獄耳かよ。

智「ははは(笑)何言ってんの、Aちゃんは翔ちゃんの彼女でしょ？」

「っえぇ…！？」

智「前にサリーちゃんから聞いたよ～？大学でもずっと一緒にいて、もう公認カップルみたいなもんだって」

にやにやと笑って、私と櫻井を見比べる。

…さ、沙友里め。

でたらめな情報をおーちゃんにまで吹き込んで…！！

「ちょっと沙友里…！？」

沙「ほんとのことだも～ん(笑)」

翔「………。」

「…ちょっと！櫻井も何か言ってよ！」

翔「………。」

「………櫻井？」

翔「…別に。俺は気にしねぇけど？」

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