七夕の願い事1 ページ1
「あ、雨…」
「ホントだ。降ってきちやったね。」
今日はたまたまみんな同じ時間に秀明が終わったから一緒に帰っている。
最近は特に事件がなかったから一緒に帰るのは久しぶりだ。
みんなと話しながら帰りたかったのに雨が降ってきてしまった。
雨が降ると傘をささなくちゃいけないし、雨の音で声が聞こえにくいんだよね。
「俺傘持ってきてないや。」
若武が空を見上げながら言う。
「アーヤっ一緒に傘使おうぜ！」
そう言いながら私の傘の中に入ってきた。
なんでこっちに入ってくるのよ！
2人だとはみ出て肩とかスカートが濡れちゃうじゃない！
「おい、バカ武何してんだ。」
「そうだぞ若武。そんなことしたらアーヤが濡れるだろ。」
「若武僕の折りたたみ傘貸してあげるからアーヤの傘から出なよ。」
「それか俺の傘に入るか？」
忍が自分の傘を傾けながら若武の方を見る。
「嫌だ。俺はアーヤと一緒に入りたいんだ。」
「私だって嫌だよ。小塚君の傘を貸してもらうか忍の傘に入るかにしてよ。」
「チッ、仕方ないな。小塚傘貸せよ。」
「おい、貸してもらうのにその言い方はなんだ。」
「まぁまぁ、甘く見てやろうぜ。それよりも冷えるから早く帰ろう。」
確かに、さっきまでは晴れてて汗かいてたけど今はちょっと肌寒くなっている。
「俺雨のにおい嫌い。」
鼻をつまみながら翼がしかめっ面をしている。
雨のにおいって変な感じがするよね。
それに翼の鼻だから余計に臭く感じられそう。
なんか可哀想だな…
「おい、アーヤちゃんと話聞いてるのか。」
翼の綺麗な顔に見とれていて若武の声にハッとした。
「ごめん、聞いてなかった。どうしたの？」
「ちゃんと聞いとけよ。今週の土曜日に七夕パーティーしようぜ！」
そうだった。
今週の土曜日は七夕で天気は晴れ、天の川が綺麗に見えるとニュースでも言っていた。
「いいよ。」
「じゃあ、夕方に俺ん家に集合な！」
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作者名：なべちゃん＆ペリカン | 作成日時：2020年7月14日 18時
