『恵。』【呪術廻戦】【伏黒恵】

40 ページ40

□□□


貴女side


渋谷の◯◯カフェ




貴女『いた。』


「えっ…」


「”優真”君どうしたの？」


「…！いや、なんでもないよ」




呼び出しておいて来てみれば
私の顔を見て驚く。





貴女『なんで驚くの。』


優真「ごめん…”あの人”を思い出しちゃった」


貴女『…それで要件は』




空いてる椅子に腰掛け
対面するよう座る

それにこの女の人誰
気づいたのかこちらを見つめる。




「お伝えするの遅れてしまいごめんなさい
はじめまして、花美(はなみ) 奏(かなで) です」





ニコリと微笑む
…なんとなく把握した。




優真「A実は僕…」


貴女『何』


優真「僕…いや”僕達”… ”結婚”するんだ」








私にとって”大切な人”は言った。









優真「Aに…1番に報告したかったんだ」




2人は頬を赤くして照れくさそうに
髪をいじったり頭をかいたり。





貴女『そう。おめでとう。』





グラスに入った水を少し飲む。





優真「…怒ってる？」


貴女『怒ってない』


優真「本当に？」


貴女『うん。』





なら良かったと幼い子供みたいに
純粋に笑う彼。






ｽﾞｷﾝｯ

はぁ…また。





花美「大丈夫ですか…？
さっきから顔色が悪いみたいですけど」


優真「A？」


貴女『大丈夫。』





テーブルにお金を置いて席から立ち上がる。





貴女『とにかく2人ともおめでとう。じゃ。』





立ち上がってその場から離れる。

離れたかった。1秒でも早く。



ｽﾞｷﾝｯｽﾞｷﾝｯｽﾞｷﾝ
ｻﾞｯｻﾞｯｻﾞｯｻﾞｧｧｧ



耐えて。耐えて。
耐えろ私。




カフェから外に出ると頭痛は治まった。





貴女『”幸せになってね”って言えなかった』





水溜まりに映る自分の顔
酷く濃いクマがはっきり

翡翠色の両目も濁る

服で脱ぐるも変わらない。





伏黒「A」




ねぇ、恵。





伏黒「やっぱり具合が悪いのか」




もしも





伏黒「おっ」






”大切な人の惨酷な死が見えた時”





私は





”助ける”ことはできるだろうか






伏黒「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ






いや、助けるじゃない


助けるはめにならないよう







貴女『(恵も兄さん(大切な人)も皆も)』





”私が”命をかけてても




”守るんだ”




そう自分に言い聞かせるように
恵を抱きしめた。


□□□

41→←39

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す