[刀剣乱舞]桃源郷

春日さんの話 II ページ4

軽い自己紹介をして､母は出て行った｡二人だけ｡気まずい｡
窓の外に視線を外していたけど彼からの目線が痛い｡
あの出来事から見られることは凄く不快に感じていた｡私はイライラしながら彼を睨み付ける｡
『何｡病気のこと､笑いに来たの｡』
私が声をかけると彼はハッと我に返り､慌てて話す｡
｢違うの!その…春日ちゃんが凄く可愛くて…えへへ､こんなに可愛い子､僕初めて見た｡｣
照れながらもじもじと話す茅采白夜｡私はニヤつきそうになる口元を隠すように言葉を放つ｡
『…春日で良い｡…で､白夜は何で来たの｡』
｢えっとね､春日ちゃ…春日が､学校に行けてないから勉強分からないかなと思って僕が教えに来た!｣
それから､白夜はしょっちゅう月詠家に来ては勉強を教えてくれたり遊び相手になってくれた｡
家族の前よりも､自分らしくいれる存在だと今振り返ればそう思う｡

｢じゃあ､母さん､父さん｡行ってきます｡｣
両親が審神者だったから割とスムーズに審神者になることができた｡
途中､昔からの繋がりらしい妃奈って子と話したりと友達も少し出来た｡
白夜は私が審神者として暮らして行くと言ってからずっとびーびー泣いていた｡だからお守りを作ってあげた｡白夜が1人でも怖くないようにっていうお守り｡
…家族や友達の話は良いんだ｡問題は審神者生活｡
審神者になってからもご近所さんやお話の合う人とお友達になれた｡
皆私の病気持ちを受け入れてくれた優しい人｡
たくさんお話したいけど私がこんな体質だから遊びに行こうと思っても行けない｡
…それに1番苦労したのが刀剣男士とのこと｡
審神者とは言えど周りの人間とは違う主を持ったなら男士達はどんな反応をするだろうと､また幼い頃の様に感情閉鎖モードで居た｡
初期刀､山姥切国広｡初鍛刀､小夜左文字｡
物静かな2人を引き当て､幸先良いスタートを切れた｡だが二人ともとはあまり良い関係を築けなかったと私は思う｡
というのが私からコミュニケーションを取ろうとしないし彼等からも来ないしで常に静かな本丸｡
必要最低限の会話しかなく私も少し寂しい気持ちがあったのを覚えている｡
次に来たのが加州清光､乱藤四郎｡
彼等は割と構ってくれる楽しいメンバーだった｡それに彼等はよく私に｢好き｣と言ってくれた｡
それにつられて初期刀と初鍛刀も時々｡本当時々言ってくれた｡
嬉しくて堪らず泣いてしまった｡
…恥ずかしい｡

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