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暫くすると突っついて遊ぶのに飽きたのか、それは唐突にも海の向こうへと去っていった。


取り残された私は海辺へと戻る、火薬系武器は持ち合わせていないし、その他は防水加工してあるので大丈夫だろう。


追っ手の確認をするが、少し動いた程度で特に問題は無さそうだ。


海水でべたべたの髪を摘む、先の鞄を置いたテラスへと戻ると、海から何かが出てきた、白い鯨だった。


朝日をバックに飛び跳ねては、彼は十分距離をとって大きく鳴いた。


やっぱりギリギリ聞こえるかどうかの低い声だった、私はそれを呆然と見る。
















ああそうだ、以前、私はここで52と会ったんだ。


確か、ええと、……そう、誰かと旅行に行った。


旅行。


まさか私があんな意地悪な義母(ははおや)と無関心の父親と一緒に行ったわけではあるまい、きっと他の誰か。


私の大切な誰か。


誰か、男の人で、きっと綺麗な髪の


「翠さん」


「……瞳子さん」


風呂上がりに外に寄るとどうやら私を探していたようで、彼女は私を見るなり駆け寄ってきた。


女性特有の綺麗な髪が空に反射して艶やかに靡く。


「どうかしましたか」


「契約についてのことよ」


契約の変更についてのことらしい。


このタイミングで、と疑問に思うが、彼女は至って真剣そうだった。


「護衛任務を、失くす?」


……どうして?


「ええ、貴方と響さんを通して無事に鬼瓦刑事との連絡も取れた、わざわざ……有栖川さんに迷惑をかけるのもどうかと思って」


金額のことではないらしい。


沖縄を離れた後、彼女は警護を主に警察に頼る様で、過激派もいないことからそれが最善だと思ったらしい。


「迷惑だなんて、」


ああ、


優しい彼女のことだ、子供に全てを託してしまったことに今更罪悪でも戻ってきたのだろうか。


夜に見張る私のことを哀れだと、不憫だとでも思ったのだろうか、私はそうやってでしか生きていけないというのに。


嘆きはした、憤慨とまではいかなかった。


「私が子供だからか?」


「……」


「言っておくが、そこらの公安警察よりもずっと上手くやれる自信があるぞ」


「分かってるわ、私たちは貴方に幾度も助けられてきた」


でも負担が大き過ぎるのだと、言葉は出さずともそう言いたいのは分かった。

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久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - あかいりんごさん» あかいりんご様、閲覧及びコメントありがとうございます!とっても嬉しいです!!更新は停滞気味ですが気長に待って頂けるとありがたいです!! (2021年3月31日 22時) (レス) id: 6e12f91009 (このIDを非表示/違反報告)
あかいりんご(プロフ) - コメント失礼します。昔から見ててずっと探してました!言葉選びが凄く好きです!応援しています! (2021年3月30日 20時) (レス) id: 089acdd5f5 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 星猫さん» 申し訳ございません、こちらは存じてないです。完全なる自己満足の駄作なので合作する予定も今後もないのです……。ご不快にさせて大変申し訳ございません……! (2021年3月17日 0時) (レス) id: 6e12f91009 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 後、トラスフォーマープライムは知ってます? (2021年3月16日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 一緒に合作しませんか? (2021年3月16日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時:2021年1月26日 21時

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