14_夢の跡 ページ34
「不動ッッ！！！」
入り込んだ1人は不動だったのか！
咄嗟に体が動く、隠しポケットから咄嗟に小型手榴弾を投げつけると、末席はそれを避ける、が、末席が撃とうとした予備の銃は間一髪彼に当たらなかった。
爆発音と光、一息して拳銃を首席にと振り向こうとした寸前、後ろから首を掴まれる、しまった、捕まった！
後ろからロシア訛りの声がする、
「クソ、
「ゲホッ、ゲホッ、」
末席はもう動けなさそうだ、避けたとしても、そして私がなげつけたのが小型の手榴弾だったとしても被害は及ぶ、不動は呆然と私を見ている。
「はは、これは1本取られたな」
それにしたって彼女、耐久力凄すぎだろう、流石にこれ以上の長期戦はしたくない。
「
首をぎゅっと締められて声が出なくなる、私は密かに拳銃に力を込めて銃口を彼女へと向ける、夢中でまだ気が付いてない。
「……？
どうした、何故笑う？」
と、彼女が母国語でそう言ったのを聞こえ、心中ガッツポーズ。
手の力を抜いた彼女に歪んだ笑みを見せた、サッと顔を青くした彼女を見た瞬間、彼女の太腿へと引き金を引く！
ダンッ！！
「なあ゛ッ！？」
「ッはは、
本当に危なかった、後慣れていたとはいえあと数秒で意識が飛ぶ寸前だった、ギリギリ理性を保った私は日本語で叫ぶ
「逃げろッ!
頼む逃げてくれ、振り向かないでッッ!!」
首席に上げられた血圧を無理に下げようと脳が動くのが分かり、ちょっと不快な顔をする、その後クラっと目眩が来るような快楽が来る。
そうそう、これがどうもなれない、だからきらいだ。
そう言って私は彼女から離れる、とは言え彼女はやはり首席と言うべきか、耐久力がエグすぎる、私に掴みかかって来た。
と、拳銃を構える、が、先程の首を締められた反動で手足に力が入らないのだ、今度こそ不味いと思ったその時、視界にサッカーボール。
私の頭スレスレを横切って見事に首席の顔面にヒットした、特徴的な赤毛が宙を舞う。
それを見ながら私は頑張って後ろに跳躍、物陰から飛び出してきた不動と落ち合った。
「ッ、A逃げるぞ」
「不動、」
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作者名：久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時：2020年9月17日 21時
